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この記事は、プロに聞く毎日の料理をちょっとラクにするコツを紹介する全2回の連載コラムです。後編の今回は、「使いやすいキッチン」について語っていただきました。

料理家の西岡麻央さんに、毎日の食事づくりについてお伺いするこの企画。前回は、「常備菜を作り置きするコツ」についてお聞きしました。今回は、より快適に料理ができる環境、つまりキッチン廻りについて、様々な視点からお話を伺いました。

前編はこちら:何かと重宝する“常備菜”「作り置きおかず」のすすめ。料理家・西岡麻央さんインタビュー【前編】

キッチンのまわりを自在に動けるアイランドキッチンが理想

料理家の西岡さんが考える、使いやすいキッチンとは?

――まずは、西岡さんが思う理想のキッチンから教えてください。

西岡さん:キッチンスタジオのアイランドキッチンが、とても使いやすかったですね。料理の仕事をしている立場からすると、手元が色々な角度から見えるので助かります。一般家庭でも、料理をダイニングに運んだり、下げたりしやすくご家族に自然と手伝って貰える環境が生まれるのではないでしょうか?

――アイランドキッチン、私も憧れます! 住宅購入者にお話を伺っても「当初はアイランドキッチンを検討していた」とおっしゃる方が多いです。ですが、設置にはかなりのスペースが必要ですから、実際にはほとんどの方が諦めてしまっているようです。

西岡さん:日本の住宅事情を考えると、なかなか難しいですよね。3年前に新築マンションを購入した私も、アイランドキッチンを入れる訳にはいきませんでした。L字型のオープンキッチンを選びましたが、大きめのパントリーが購入の決め手になりました。収納量は多い方だと思うのですが、それでも職業柄、食器も食材のストックも増えてしまいがち。パントリーの仕切りを自分で作るなど、工夫しながらスペースを確保しています。

食器を「1群」と「2群」に仕分け。よく使うものを使いやすい場所にしまう

――ほとんどの方が、限られたスペースで料理を作り、食器などを収納していると思います。限られたスペースの中で、使い勝手を高めるコツはありますか?

西岡さん:まずは、お持ちの食器を「1群」と「2群」に仕分けし、それぞれにしまう場所を分けましょう。毎日のように使っている食器は手の届きやすい場所に収納。ワイングラスや大きなお皿など、日常的には使わない食器は少し離れたところにしまいます。

ガラスタンブラーなど高さがあるものは、コの字型の収納用品がとても便利です。キッチンボードの限られたスペースを有効に使い、デッドスペースを減らしましょう。

前回、作り置きおかずの話をしましたが、おかずを保存するのにホーロー容器があると便利です。白いホーローでまとめるとすっきりと片付けやすいです。

また、普段使いの食器としては、少し大きめのプレート皿があると便利。疲れて帰宅した日には自炊をするのが面倒に感じることもあると思いますが、ご飯と作り置きおかずを並べて1ディッシュで食べれば、片付けはお皿を1枚洗うだけでラクです。

西岡さんは、食器の収納にアクリル製のコの字型ディスプレイを愛用している。

また、100円ショップで手に入るファイルボックスも便利です。調味料のボトルを入れるのにぴったりのサイズで、引き出しのように使えるので出し入れがしやすく、掃除をする時にもラクです。

高さがバラバラで生活感が出てしまいがちなキッチン廻りをすっきりとまとめることができる。

細かなアイテムは小さな箱に入れて、一ヶ所にまとめて収納

――ファイルボックス以外にも、収納に便利なアイテムはありますか?

西岡さん:キッチンには画鋲やクリップ、輪ゴムなど細かいアイテムがたくさんありますよね。それらがあちこちに散らばっていると、いざ使う時にどこにあるか見失いがち。小さなストレスのもとです。画鋲はワインのコルクに挿してまとめ、クリップは小さな箱や袋にまとめましょう。

かわいいお菓子の箱をパズルのように置き、分類しながら収納する方法もお薦め。お子様のお弁当に使う小さな醤油入れなども、この方法できれいにまとまります。お気に入りの箱を使えば、見るだけでワクワクするような空間になり、料理のモチベーションが上がります。

西岡さんは、紅茶のティーバックを透明のアクリルケースに収納。在庫がひと目で分かる。

調味料は密閉容器に入れ替えることで使いやすく、保存性もアップ

――料理家の方ならではの、収納に関する悩みはありますか?

西岡さん:料理を作る仕事をしていると、調味料がどんどん増えていくことでしょうか。塩だけでもたくさんの種類があります。袋に入っているタイプですと、購入して封を開けた後、クリップをとめて保存する方も多いと思いますが、100円のもので十分ですから、密閉容器に入れましょう。ラベルを付けて保存すれば分かりやすく、きれいに使えて、保存性も上がります。砂糖や塩など頻繁に使う調味料は、かわいい入れ物に入れていつでも使える位置に置いておきましょう。使いやすいですし、ディスプレイにもなります。

その他の調味料は、ジャンルごとに分けて収納しています。登場する頻度が低い、例えばサフランのような調味料は奥に、よく使うものは手前にしまいます。時々出して眺めているときにアイディアが浮かび、新しいレシピが生まれることもあるんですよ。

住宅購入の前に、換気扇とコンロ廻りをチェック

――これから家を建てる方に、キッチン廻りで注意すべきポイントはありますか?

西岡さん:換気扇の掃除が大変なので、サッと拭き取るだけできれいになる換気扇を選んだ方が、後々ラクだと思います。コンロは購入時にチェックをする方が多いですが、換気扇は盲点となりやすく、実はコンロよりも掃除がしにくいのです。使う度にサッと拭くだけで良ければ、きれいな状態をキープしようと意欲がわきますよ。

また、最近のマンションはコンロの先にリビングダイニングという間取りが多いですよね。フルフラットのキッチンには大抵、小さなアクリル板が1枚設置されているだけ。油ハネを防げず、油ものを調理する度に汚れてしまいます。しっかりとした仕切りや壁を設けた方が、掃除がしやすいでしょう。

――家具やキッチン用品のレイアウトに関してはいかがですか?

西岡さん:調理の際の動線をできるだけ短縮するために、冷蔵庫は作業スペースの近くに置きたいですね。冷蔵庫の中は仕切りが少ないので、100円ショップで収納ボックスを購入して入れると良いでしょう。

また、フライパンはコンロでサッと使える位置にあると使いやすいですね。全般的に言えることですが、使う場所ごとの収納を心掛けることで、無駄な動きがなくなって料理が少しラクになりますよ。

<取材者プロフィール>
西岡 麻央(にしおか まお)
大手航空会社客室乗務員として国内線・国際線を乗務。不規則な生活が続く中で、身体に極力負担をかけない生活を意識するようになる。特に直接身体に影響を与える”食”に対して強く興味を持つようになり、退社後は、食のプロを育てる学校エコールエミーズにて料理の基礎からおもてなしの演出まで、様々な観点で食について学び、料理家デビューする。パワーサラダ専門店「HIGH FIVE SALAD」メニュー監修の他、大手食品メーカーのレシピ開発、メディアでの料理タイアップ企画など精力的に活動中。
インスタグラム https://www.instagram.com/maotomat/
ブログ https://ameblo.jp/bliss-in-the-kitchen/

<連載>プロの料理家に聞く毎日の料理をちょっとラクにするコツ
【前編】”常備菜”レシピも紹介。作り置きおかずのすすめ
【後編】100円ショップアイテムも活用。使いやすいキッチンとは?

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この記事の筆者
斎藤若菜 住宅ライター

ラジオパーソナリティを経てフリーライターに。住宅・インテリア・不動産分野を中心として、介護・グルメ・トラベルなどのジャンルでも執筆。リフォームや注文住宅関連の住宅情報誌をはじめ、雑誌、書籍、新聞、インターネットなどのさまざまな媒体で取材・執筆を手掛けている。ARUHIマガジンでは、「住宅購入者ストーリー」などを担当中。

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