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かねてから株式投資に興味があったという資産運用初心者のSさん。証券会社の口座を開設し、少額からスタートして6年。資産は倍ほどになったそうです。株式投資に少しでも興味がある方、これから始めようと思っている方に向けて、Sさんご自身の体験を語っていただきました。

確定申告で納税額を目の当たりにしたことをきっかけに、資産運用の必要性を実感

――まずは、投資デビューのきっかけから教えて下さい。

Sさん:現在、私は会社員ですが、5年間ほど自営業だった期間がありました。必然的に確定申告をすることになり、自分がどれだけの税金を納めているのか、その時に初めて自覚したのです。「こんなに引かれているのか!」と驚きました。

それまでは特に資産運用をしていなかったのですが、転職が多く、派遣社員だった時期もあることを考えると、将来の企業年金や退職金、ボーナスなどによる収入はあまり期待できません。「資産運用をして、将来に備えなければ」という気持ちが漠然とありました。

――資産運用の方法はたくさんあると思いますが、Sさんは何から始めたのですか?

Sさん:父が亡くなって遺産相続があり、手元のお金をどのように運用するか考えたことがきっかけで、資産運用を開始。始めは、銀行で薦められた投資信託を3種類ほど購入しました。銀行に預金するよりは好金利ですし、毎月分配型の商品も入っていたため定期的な入金もありましたが、様々な株式や債券がセットになっているため、なぜ元本の価格が増減するのか分かりづらく感じました。元本が減ってしまった理由が分からないと納得できない思いがあり、しばらくして全て売却してしまいました。トータルでは少し損をしていると思います。

記事で読んだことがきっかけで株式投資、マレーシア株に興味

――投資信託の代わりに始めたのが、株式投資という訳ですね?

Sさん:預貯金だけでは金利が低く、資産はほとんど増えません。投資信託は元本が増減する理由が分からず断念してしまいましたが、株式投資は会社の業績と連動するので、比較的シンプルに増減を予測できるのではないかと思いました。ちょうど、最小単位で少額から始められる「ミニ株」に関する記事を読み「これなら自分でも買えそう」と感じたこと、当時リーマンショックで株価が非常に下がっていたため、手頃に感じたことも動機になりましたね。また、大好きなマレーシアの株を買ってみたい気持ちもありました。

――マレーシアの、どんなところに魅力を感じたのですか?

Sさん:東南アジアでは珍しい多民族国家で、日本から近く治安は安定しています。食べ物がおいしいところも魅力で、何度か旅行で訪れたことがあります。また、たまたまマレーシアにある航空会社の社長インタビューを読んで、その内容がとても興味深かったのです。ヨーロッパでは長距離バスの代わりに近距離路線の飛行機が充実していて、アジアでも同様のことを実現したいといった内容で、夢がある話だと思いました。

――航空会社の株以外にも購入したマレーシア株はありますか?

Sさん:マレーシア株を少額で購入できる証券会社を探して口座を開設したこともあり、その航空会社の他にも、マレーシアの通信会社と建築会社の株を購入しました。お小遣い程度ですが配当金も出ますし、3社とも現在も保有していますよ。

国内では馴染み深い会社や、成長性を見込んだ会社に投資

――国内の株式投資に関してはいかがですか?

Sさん:不動産会社やネットベンチャー、電機メーカーなど、名前を知っている会社・身近な会社の株を購入しました。ある会社は400円台の時に購入し、現在は倍近くの株価になりました。まだ上がると見て保有しています。

また、印象に残っているのが、ネットベンチャーです。購入当時は赤字続きで、株主総会では「いつになったら黒字になるんだ!」などとヤジが飛び、少し気の毒でしたね。お土産が豪華で、お菓子などをたくさんいただいて帰宅した覚えがあります。

――身近な会社、普段から興味を持っている会社を選ぶと親近感がわいて株価のチェックも楽しくなりますし、株主総会に参加できることも、株式投資の楽しみの一つかもしれませんね。ネットベンチャーの株は現在も所有しているのですか?

Sさん:2014年まで所有していましたが、他社との合併するタイミングで、今がピークだと判断して売却しました。元本の5倍以上になった計算です。

国内株式は下降トレンドを狙う「逆張り」で回復を待つ

――元本の5倍ですか! 元本が大きく膨らむ可能性も秘めていることが、株式投資の醍醐味ですね。逆に、失敗してしまったこともありますか?

Sさん:株価が下がっているときには、損失を大きくしないために「売り」のムードになります。そんな中で私は、「底まで下がればいつか上がるだろう」という思いがあり、これまでに経営危機が報道された電力会社や航空会社を購入しました。このように、株価が急落した時に買い、株価が上昇したら売却することを「逆張り」と言い、私はこの投資手法を気に入っています。ただし、業績が落ちている会社の株式を敢えて購入することは、リスクも伴います。私の場合、電力会社は持ち直しましたが、航空会社は上場廃止により、紙切れにもなりませんでした(苦笑)。

――株式投資の初心者ですと、クオカードや商品券といった金券や、投資している会社の商品やサービスの割引、カタログギフトといった「株主優待」や、年1~2回、株の保有数に応じて出る「配当金」を目当てにしている方が多いと思います。Sさんは、株主優待や配当金で株の銘柄を選んだことはありませんか?

Sさん:株主優待や配当金が魅力的な銘柄を選べば、持ち続けることで比較的安定的に、継続して利益を得られると思います。でも、個人的にはあまり興味がなくて、購入した株の価値が向上することによる「値上がり益」を狙う方が性に合っているようです。株価が安い時に買い、高い時に売るには判断力が重要ですが期待通りに株価が上がると、嬉しさもひとしおです。

――トータルの収支はいかがですか?

Sさん:株式投資を始めて6年程度運用し、大きく成長した銘柄もあれば、損切り(損失額を確定)した銘柄もありますが、トータルで元本がほぼ倍になりました。ただし、現在は為替の関係で、マレーシア株が若干下がり気味。実は、先ほど挙げた銘柄の他に、資源系や観光系の銘柄も購入していたのですが、損切りしてしまいました。

株式投資は貯金感覚。教育資金の足しにしたい

――株価が下がっていても、株主優待や配当金が魅力的なケースもあると思います。Sさんはどのようなタイミングで損切りをしていますか?

Sさん:前述の通り、株主優待や配当金にはあまり興味がないもので、購入時も売却時も、それらの利回りはあまり計算していません。損切りのルールも特に設けている訳ではなく、主にお財布の事情で決断しています(笑)。

私にとって、株式投資は貯金感覚です。お金が必要になれば預貯金を下ろすのと同様に、株を売却しています。具体的には、子どもの教育資金が掛かるタイミングでどれを手放すかと考えますね。当初は、「年金や退職金に代わる老後の資金になれば」、と思って始めた株式投資ですが、子どもの教育資金になるのかなと思っています。

予算や運用したい期間に応じて気軽にスタートできる株式投資

値上がり益を狙い、資産を倍にしたSさんの体験談は、株式投資の一例に過ぎません。株式投資を始めるきっかけは人それぞれですが、初心者でも少額から、気軽に始められるところが魅力です。株主優待や配当金をチェックして少しずつこつこつと貯めるもよし、値上がりのタイミングを見極めて大きく儲けるもよし。Sさんのように、普段から興味がある会社の株式を購入すれば、愛着を持って株価の動きを見守ることができるでしょう。皆さんも、気になる企業の株価を調べるところから始めてみてはいかがでしょうか?

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この記事の筆者
斎藤若菜 住宅ライター

ラジオパーソナリティを経てフリーライターに。住宅・インテリア・不動産分野を中心として、介護・グルメ・トラベルなどのジャンルでも執筆。リフォームや注文住宅関連の住宅情報誌をはじめ、雑誌、書籍、新聞、インターネットなどのさまざまな媒体で取材・執筆を手掛けている。ARUHIマガジンでは、「住宅購入者ストーリー」などを担当中。

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