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「家計簿をつければお金の流れが分かり、無駄な支出を減らせる」といった話を聞いたことがある方は多いでしょう。しかし、「面倒だから何もしていない」「三日坊主で終わってしまった」なんて方も、多いのではないでしょうか? 最近は、レシートをスマートフォンで撮影するだけで家計を管理できるアプリが人気です。そこで今回は、日本最大級の無料オンライン家計簿「Zaim(ザイム)」を運営する株式会社Zaimの代表取締役、閑歳孝子(かんさいたかこ)さんにお話を伺いました。

全ての人にとって身近な「お金」を題材に、スマートフォンアプリを作りたい

会社に通いながらアプリの開発を続けていたという閑歳さん。

――現在は650万人ものユーザーが利用している家計簿アプリに成長した「Zaim」ですが、どういった経緯で、オンライン家計簿を作ることになったのでしょうか?

28歳の時からエンジニアとして活動していましたが、BtoBサービスを手掛けることが多く、「もっと一般ユーザー向けのサービスを提供したい」という想いがありました。当時はアクセス解析ツールの開発を担当していましたが、それを一般のユーザー向けに置き換えたい、「誰もが使うものって何だろう」と考えた時、「お金は誰でも使う」という考えに行き着いたのです。私の母は60歳を超えていますが、若い方だけでなく母のような年代の方にも使っていただける、間口が広いテーマを考えた結果が、家計簿でした。

2011年当時、スマートフォンは一部のガジェット好きな方が利用している程度の普及率でしたが、近い将来には一般の方も、こういったツールを使うようになるだろうという想いもありましたね。

――開発するにあたり、苦労も多かったのではないでしょうか?

1人で開発をする大変さはありましたが、ユーザーがゼロの状態なら、不具合でクレームが入ることもありません。割とマイペースに作っていましたね。サービスを開始し、利用者が増えてからが大変でした。問い合わせが殺到し、あまりインターネットに詳しくない方からの質問も日に日に増えていきました。間口を広げた分、問い合わせの内容も多岐に亘り、その都度対応する必要があって苦労しましたね。

ユーザー数の増加にともない、会社を設立

――エンジニアとして働く傍ら、個人的にZaimの開発を始めたそうですが、会社を立ち上げた経緯を教えてください。

アプリをリリースしてから1年ほどの間は、会社員を続けながら運用を続けていました。しかし、Zaimで扱っているのはお金という、個人で運営するにはセンシティブな情報です。法人で運営した方が安心して利用していただけると思い、2012年9月に「Zaim」を社名として株式会社を設立しました。当時すでに数十万人がダウンロードしていました。

集計したデータの比較・分析が発見に繋がる

――現在は様々な機能が付加されている「Zaim」ですが、開発当初から搭載されていたのは、どんな機能ですか?

収入や支出を入力し、その記録を見ることができるのはもちろん、インターネットに繋がっているからこそできる機能を付加したいと考えました。皆さんに入力していただいた情報はZaimのサーバーで一括管理しています。その統計データを取れば、皆さんの参考になると思い、他のユーザーが入力した支出を集計し、自分の支出と比較できる機能を搭載しました。他の家の家計を目にする機会はあまりありませんが、「自分と似たような収入や世帯の人は、何にいくらくらい使うのが一般的だろう?」というのが気になる方は多いでしょう。こうした統計の結果を公開することが、これまで個人に閉じられてきた家計の世界をオープンにする第一歩になるのではないかと考えました。

――現在までにたくさんのデータを集積していると思いますが、どんなことが分かりましたか?

最近ですと、真夏にどんなものが売れているのか統計をとりました。正露丸が7~8月に突出して売れていることから、冷房で体を冷やし過ぎて、お腹を壊してしまった様子がうかがえます。他にも、ランドセルを夏のうちに購入する方が多い実態や、冷やし中華は梅雨時から7月に掛けて一度だけ食べ、その後は口にしない人が多いことも分かりました。家計簿を通じて、様々な情報を発信することで、生活のヒントにしていただけたらと思っています。

Zaimでは随時アンケートを実施している。「利用者の声を参考に新しい機能を追加することも多いですね」と閑歳さん。

家計簿アプリの共有が、夫婦や親子の相互理解を深める

――Zaimを使ってほしいのは、どんな方々ですか?

スマートフォンやパソコンの操作が苦手な方など、誰でも簡単に使えるツールにしたかったため、ターゲットは敢えて定めていません。より多くの方に使っていただけるよう、利用者の声をもとに随時、サービスをアップデートしています。例えば、ご家族でZaimを使ってくださるケースが多かったため、家族で一つの家計簿を共有できるようにしました。お小遣い用とご家族用で2つの家計簿を管理することもできます。ご夫婦で共通の家計簿を管理していただくことで、お金の流れが見えるようになり、「夫婦で揉めることがなくなった」「夫婦仲が良くなった」という声を多くいただいています。若い方は特に、家計をオープンにすることへ抵抗がない印象ですね。

また、お子さまと使う方もいらっしゃり、良い傾向だと感じています。親子でお金の話をする機会はあまりないと思いますが、例えば塾へ行くのにどれだけの費用が掛かっているのか共有することで、ご両親がお金をどのようにやりくりしているのかを知るきっかけになります。ご両親が稼いでいるからこそ現在の生活ができていること、進学できることを、リアルに感じてもらえるのではないでしょうか。

家計に対するインパクトが大きい住居費用に対する意識が重要

――これから住宅購入を考えている方や、購入した方に便利な機能はありますか?

人気コンテンツの一つに「バランス診断」があります。家族構成や世帯収入、お住まいのエリア、家賃もしくは住宅ローンの返済額といった情報を入力すると、お薦めの支出バランスや予算が表示され、無理なく貯蓄や大型出費に備えるヒントになります。 また、住宅にかかる費用は家計の中でも比重が大きい固定費なので、特に重要です。これから住宅ローンを組む方や既に組んでいる方のために、金利によって利息の総額がどれだけ変わるのか、繰り上げ返済のタイミングはどこがいいのかなどシミュレーションできる機能も備えています。とても便利なので、私自身も愛用している機能の一つです。

家計簿アプリは、気持ちよくお金を使うためのツール

――Zaimで家計簿をつければ、簡単に節約ができそうですね。

家計簿=節約のイメージがある方も多いと思いますが、私たちはどちらかと言うと、気持ちよくお金を使うためのツールにしていただきたいと考えています。家計簿を付けていないと「よく分からないうちにお金がなくなっていた」という事態に陥りがち。Zaimの予算管理機能を使って支出をコントロールすれば、目標金額を手元に残しやすいでしょう。そのお金は、「〇〇さんと食事に行く」といった、思い出が残ることに使っていただきたい。家計簿アプリを通じて、利用者が様々な体験をする手助けをしたい。人生の選択肢を増やすツールとして活用していただきたいですね。

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この記事の筆者
斎藤若菜 住宅ライター

ラジオパーソナリティを経てフリーライターに。住宅・インテリア・不動産分野を中心として、介護・グルメ・トラベルなどのジャンルでも執筆。リフォームや注文住宅関連の住宅情報誌をはじめ、雑誌、書籍、新聞、インターネットなどのさまざまな媒体で取材・執筆を手掛けている。ARUHIマガジンでは、「住宅購入者ストーリー」などを担当中。

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