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住宅購入を考えている人にとって、“住宅ローン控除を受けられるかどうか”は気になるところです。中古住宅を購入して住宅ローン控除を受けるには、築年数の基準を満たす必要があるのをご存知でしょうか。また築年数の基準を満たさない場合でも、一定の耐震基準を満たせば住宅ローン控除を受けることができます。ここでは、住宅ローン控除を受けることのできる中古住宅の条件について見ていきましょう。

中古住宅も住宅ローン控除を受けられる

以前は中古住宅というと「古くて汚れている」「性能に問題があるのでは」などと思う人が多かったかもしれません。しかし、近年は中古住宅の流通数も増えましたし、瑕疵があった場合の対応も整備されました。耐震性についても可視化されるなど、中古住宅のイメージは変わりつつあるようです。
しかし、意外に知られていないのが、「中古住宅であっても住宅ローン控除を受けられる」という点です。ただし、要件や注意点もあります。中古住宅における住宅ローン控除の受け方をご紹介していきましょう。

中古住宅であっても住宅ローン控除を受けられるのは上述した通りです。また、中古住宅を購入後、少し時間をおいてからリフォームを行うという場合もあるでしょう。リフォームの場合でも一定の要件を満たせば住宅ローン控除を適用することができます。
なお、住宅ローンと並んで大きな目玉となる「住まい給付金」も、基本的に個人間売買でなければ中古住宅で適用可能です。
政府は中古住宅の活用を推奨しています。そのため住宅関連の支援に関しては「中古住宅だから」というだけで支援が受けられないものはほとんどなく、条件をクリアすれば多くのものは受けることができるのです。

控除を受けられる中古住宅の条件は?

住宅ローン控除を受けるには、新築住宅であっても中古住宅であっても、一定の条件を満たす必要があります。主な条件については、新築住宅でも中古住宅でも共通ですが、中古住宅の場合はそれに一定の条件が加わると考えてください。

【新築住宅と中古住宅共通の主な要件】
 ・床面積が50平米以上であること
 ・自ら居住すること
 ・完成から6カ月以内に居住し、その年の12月31日まで継続して居住すること
 ・住宅ローンの借入期間が10年以上であること
 ・控除を受ける年の年収が3,000万円以下であること

【中古住宅に特有の条件】
中古住宅の場合は以下の2つのうち、いずれかの条件を満たす必要があります。
(条件1)構造による耐久年数の制限
 ・耐火建築物(鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート造など)の場合:25年以内に建築された住宅であること
 ・耐火建築物以外(木造建築など)の場合:20年以内に建築された住宅であること
(条件2)一定の耐震基準をクリアしていること(以下のうち、いずれかを満たす必要があります)
 ・耐震基準適合証明書を取得する
 ・住宅性能評価書(耐震等級1以上)を取得する
 ・既存住宅売買瑕疵保険に加入する

中古住宅であっても、築年数が20年、もしくは25年以内であれば、それだけで制度上問題なく適用を受けることができます。また、築年数の要件を満たさない場合については、一定の耐震基準を満たす必要があります。

築年数が要件を超えていても控除を受けるには?

既述の通り、築年数が20年、もしくは25年以上でも、一定の耐震性を満たしていれば、住宅ローン控除を受けることができます。具体的には、上記の(条件2)にあげた通り、「耐震基準適合証明書」もしくは、「既存住宅性能評価書」を取得する、「既存住宅売買瑕疵保険」に加入するといった方法があります。それぞれ具体的にご説明しましょう。

・耐震基準適合証明書を取得する
耐震基準適合証明書とは、建物が現行の耐震基準を満たしていることを証明するものです。建築士事務所登録をしている建築士や指定確認検査機関で発行してもらうことができます。

・住宅性能評価書(耐震等級1以上)を取得する
住宅性能評価書は、住宅性能表示制度に基づいて発行するもので、法律に基づいた基準によって住宅の性能を評価し、その結果を誰にとってもわかりやすいように、等級や数値で表示するために作られています。構造面、防火面、バリアフリー面など10分野について、国土交通省の登録を受けた第三者機関が評価を行います。

また、紛争処理機関を備えているため、費用はかかりますが、住宅の引き渡し後のトラブルにも対応してもらえます。 なお、住宅ローン控除の対象になる住宅は、耐震に対する評価が「等級1〜3」のものに限られます。

・既存住宅売買瑕疵保険に加入する
既存住宅売買瑕疵保険は、「中古住宅の検査と保障がセットになった保険制度」です。住宅専門の保険会社である住宅瑕疵担保責任法人が保険を引き受けます。この保険に加入するには、現行の耐震基準に適合していなければならないため、保険に加入することで耐震証明書を得たとみなされるのです。

なお、保険期間は5年間または2年間です。 注意しなければならないのは、この既存住宅売買瑕疵保険に加入するには、建物の診断を受け、必要に応じて修繕を行った上で、既存住宅売買瑕疵保険の付保証明書を取得する必要がありますが、これらは住宅の引き渡しの前に済ませておかなければなりません。 そのため、売り主の合意を得た上で、スケジュール調整を行う必要があります。

また、1981年以前のいわゆる旧耐震の住宅については、上述した耐震基準適合証明書を取得しないと既存住宅売買瑕疵保険に入ることができません。住宅ローン控除を受けることが目的であれば、耐震基準適合証明書を取得すれば要件を満たせますので、既存住宅売買瑕疵保険に入る必要はないことに留意しておいてください。

それぞれの制度のメリットを検討して選択しよう

繰り返しになりますが、築年数が基準を超えてしまっていても、上記の3つのうちのいずれか一つを満たしていれば、住宅ローン控除を受けることができます。それぞれ、申し込みの際は、建築図面や測量図など必要書類を提出する必要がある他、証明書の発行や、評価には手数料がかかります。金額は建物の規模や発行主体ごとに異なるため、事前に確認しておきましょう。

また、せっかく申請をするのであれば、単に住宅ローン控除を受けることを目的にするだけでなく、それぞれの制度のメリットを考慮した上で選択してみてはいかがでしょうか。
たとえば、耐震基準適合証明書があれば、地震に対して安心を得られるでしょう。 また、住宅性能評価書を取得しておけば、紛争処理のサポートを受けられますし、共通基準で性能が表示されるため、将来の売却時に役立つといったメリットがあります。既存住宅売買瑕疵保険に加入しておけば、住宅の主要構造に瑕疵が見つかった場合、売り主に補修を請求できますし、仮に売り主が倒産などしていた場合には、保険法人に直接保険金を請求することもできます。

ここまで見てきたように、中古住宅であっても、築年数の基準を満たせば住宅ローン控除の適用を受けることができます。築年数が経った物件よりも、築年数の浅い物件のほうが間取りも使いやすく、設備も充実した物件が多いと思われることもあり、おそらく、築年数の基準を満たす中古住宅を購入する人が多いのではないでしょうか。 しかし、上でご紹介した制度は、中古住宅を購入する上で有益なものです。住宅ローン控除の適用とは関係なく、証明書の取得などを検討してみてはいかがでしょうか。

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この記事の筆者
横山晴美 ファイナンシャル・プランナー

ライフプラン応援事務所代表 AFP FP2級技能士 住宅ローンアドバイザー
2013年にFPとして独立。企業に所属せず、中立・公平の立場で活動する。新規購入・リフォーム・二世帯住宅を問わず、家に関することなら購入額から返済計画まで幅広く対応。また、住宅購入は家計・教育費・老後資金・相続など多くの視点が必要なため、ライフプランを見据えた相談を行う。
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