税制面や住宅ローンで優遇される!? 高性能な住宅とは?

一戸建てを購入する際、間取りや広さ以上に“家の性能”に対する注目が高まっています。大規模な震災に耐えうる耐震性はもちろん、省エネルギー化によって電気代の低コストを実現したエコな家づくりも進んでいます。これらのような高性能住宅は建築費用が高くなりがちですが、税制面や住宅ローンにおいて様々な優遇が受けられます。そこで、高性能住宅にはどのようなものがあり、どのような優遇を受けられるのか、ARUHIマガジン編集部が調べてみました。

高性能住宅の特徴を知ろう!

現在、高性能住宅として国内で普及が進んでいるのが「長期優良住宅」「低炭素住宅」「ZEH」の3種類です。それぞれの特徴からご紹介しましょう。

・長期優良住宅
高性能住宅としてもっとも認知度が高いのが長期優良住宅です。長期に渡り良好な状態の住宅で生活できるよう、「劣化対策」「耐震性」「維持管理・更新の容易性」「可変性」「高齢者対策(バリアフリー性)」「省エネルギー対策」「居住環境」「住戸面積75平方メートル以上」「維持保全計画」といった9つの性能において一定の基準が設けられており、それらを満たすよう建築計画や維持保全計画が策定され、さらに建物のある自治体などからきちんと認定を受けた住宅のことです。

・低炭素住宅
地球温暖化対策を目的に、温室効果ガスである二酸化炭素の排出量を抑えた住宅のことです。省エネ基準よりも石炭や石油、天然ガスといった一次エネルギーの消費量を10%削減し、さらに「節水に役立つ設備を採用」「雨水や井戸水を利用する設備を設置」「太陽光発電を備えている」などといった8項目の中から2項目を採用した建物であれば認定条件をクリアできるため、長期優良住宅よりも簡単で、コストもかかりません。

・ZEH
ZEH(ゼッチ)とはNet Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)を略した呼称で、建物の断熱性・省エネ性能を上げ、さらに太陽光発電などの創エネルギーを備えることにより、消費するエネルギー量よりも創出するエネルギー量が多い住宅のことです。政府主導で普及が進められており、2014年4月に閣議決定された「エネルギー基本計画」において「2020年までに標準的な新築住宅で、2030年までに新築住宅の平均で住宅の年間の一次エネルギー消費量が正味(ネット)でゼロとなる住宅(ZEH)の実現を目指す」という政策目標が設定されています。

どのような面で優遇されるの?

高性能住宅は減税措置や住宅ローンの金利において優遇制度が利用できます。最もその恩恵を受けるのが、認定基準の高い長期優良住宅です。不動産を取得すると「所得税」「登録免許税」「不動産取得税」「固定資産税」といった税金が課税されますが、長期優良住宅はこれらのすべてにおいて、一般の住宅に比べて控除限度額が高く、「固定資産税」の軽減期間も一般住宅の3年よりも長く、5年適用されます。

また、低炭素住宅には「所得税」に優遇措置はなく、「固定資産税」の軽減期間も一般の住宅と変わりがありません。金利においては、長期優良住宅も低炭素住宅も、借入金利の優遇が5年から最大20年まで受けられる「フラット35S金利Aプラン」を利用することができます。

一方ZEHでは、普及を推進するため、国より「平成29年度ネット・ゼロ・エネルギーハウス支援事業補助金」として、一戸あたり75万円の補助金が受けられます。さらに、所定の要件を満たす蓄電システムを導入する場合には、初期実効容量1kwhあたり4万円(上限最大40万円まで)が加算されます。ただし、この補助金は公募期間が限られています。そのほかにも様々な要件があるため、補助金を利用したい場合は住宅会社にしっかり確認を取りましょう。

まとめ

高性能住宅はタイプによって様々な優遇が受けられ、その後の快適な生活と合わせて考えれば非常にコストパフォーマンスに優れていると言えそうです。もちろん、高性能であればあるほど建築コストは高くなるので、どんな暮らしをかなえたいのか、そのためにはどのような性能が、どのレベルまで必要なのかを見極めることが大切です。実現したい生活をしっかりイメージし、我が家にぴったりの高性能住宅を選んでくださいね。

(最終更新日:2019.10.05)
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