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この記事は、サラリーマン大家としてワンルーム経営を行っているYさんの“賃貸経営術”を紹介する、全7回の連載コラムです。第7回目の最終回は、「正しい知識があれば怖くない! 不動産投資のあらゆるリスクに備えた賃貸経営編」をお届けいたします。

当コラムではこれまでYさんに、中古のワンルームマンションにこだわる不動産投資法についてお聞きしてきました。前回は、買付証明書の提出や投資物件のローンについて教えていただきましたが、今回はYさん編の最終回! 空室対策と、購入後のリフォームや管理会社選びについて、そして不動産投資について総括していただきます。

投資リスクについて知る

――投資物件の探し方から購入までYさんにレクチャーしていただきましたが、最後は購入後のことを教えて下さい。

Yさん:今までお話してきたことと一部重複しますが、不動産投資を行うリスクについて、知っておくべきです。

私は主に「地震リスク」「価格下落リスク」「空室リスク」「家賃滞納リスク」「変動金利リスク」、この5つのリスクを考慮する必要があると考えています。

「地震リスク」に関しては、新耐震基準のマンションであればさほど心配しなくてよいでしょう。「価格下落リスク」は資産価値が下がる恐れについてです。一般的に、新築時から徐々に売却価格が下がり、築20年程度で落ち着きます。家賃も同様の値動きをします。こちらも、中古物件を購入する前提なので問題ないでしょう。

但し、購入価格が妥当か、前回お伝えした通り価格評価サイトで買付前に必ずチェックすることです。

「空室リスク」に関しては、人気の街にある駅近物件を狙うことでリスクを抑えることができます。賃貸経営を始めてから講じることができる対策もありますよ。

――ずばり、何をすればよいですか?

Yさん:ワンルームマンションは、更新時の退去が多い特徴があります。そこで、双方異議がない場合には自動更新とする契約を結んでおくのです。

入居者からすれば、礼金や更新料を払わなくて済むメリットがありますし、我々オーナーサイドから見ても、同じ入居者に長く住んでもらいやすいのでWin-Winだと思います。

もちろん、長く快適に住んでいただける物件を提供することも大切。そのために、リフォームにはお金を掛けています。

投資物件のリフォームは相見積もりが必須

――リフォーム会社はどのように選んでいますか?

Yさん:物件を購入した不動産会社のほとんどが、リフォーム会社を斡旋してくれると思います。しかし、2割程度の中間マージンが上乗せされているケースが多いため、あまりお薦めできません。

インターネットでリフォーム会社を探して、数社で相見積もりをとりましょう。価格はもちろん、担当者の人柄やプレゼン力など、総合的に判断して依頼先を決めましょう。

――どこをどの程度リフォームしたらいいのか、利回りとの兼ね合いが難しそうですね。

Yさん:私はどうにもリフォームし過ぎてしまう傾向があるので、体験談はあまり参考にならないと思います(笑)

白金高輪の物件は購入時に空室だったので、キッチンを交換して床材や壁紙を張り替え。100万円以上かけました。転売目的でないので、お金をかけるところにはかけていい入居者に入って貰おうという考えです。

綱島の1DK物件も、リビングの壁一面にダークブラウンのアクセントクロスを貼ったり、乾燥機能付きのユニットバスを採用したり、デザインも機能面も特徴を持たせることで、すぐに借り手が付きましたね。

目安となる金額はケースバイケースなので明言できませんが、リフォームに掛かった費用を含めてもキャッシュフローがプラスになっていることが大前提です。あとは所有する期間に応じて、どの程度手を入れるか決めるといいですよ。

物件管理を任せる不動産会社の選び方

――リスクの話に戻りますが、4つ目の「家賃滞納リスク」は、管理会社選びも絡んできそうですね。

Yさん:いや、管理会社の良し悪しはあまり関係がなくて、家賃保証会社を利用すればいいんですよ。空室リスクが低い物件を購入しているのですから、不動産会社の家賃保証(サブリース)を使う必要はありません。

私は連帯保証人に代わり、入居者には家賃保証会社の利用をお願いしています。実は以前、都心の飲食店経営者に部屋を貸したところ、外国人女性に名義貸しをしていたことが判明。

家賃を滞納された経験があり、それ以来、家賃保証会社の利用を必須としました。

――管理会社に頼るのはどんなところですか?

Yさん:1番は入居者募集ですよね。客付けに関してはやはり、大手が強いです。これまでにお話した条件を満たした物件であれば、あっという間に入居者を見つけてくれるでしょう。

大手以外に頼むならやはり物件の近くの賃貸専門会社が良いですね、急なトラブルも対応し易いですから。

賃貸管理を任せる会社という観点では、規模の大小よりもいい人材がいるところを探すべきです。ただ、賃貸管理の主な業務であるクレーム対応は通常、1年に1回あるかないか。私は自分でできると判断し、不動産会社にはお願いしていません。家賃は直接入金で、滞納時のみ家賃保証会社のお世話になる形ですが、今まで困ったことはありませんね。

繰り上げ返済で金利上昇リスクを解消

――最後の「変動金利リスク」に関してはいかがでしょう?

Yさん:借り入れたローンの金利が上昇すると、借金が増えてしまう話なのですが、対抗策は「繰り上げ返済」と「借り換え」に尽きます。

「借り換え」の目的はもちろん、金利の低い金融機関へ変更することですが、初期費用がネックとなります。家賃収入と自己資金による「繰り上げ返済」で、早期完済を目指しましょう。

不動産投資は損をしにくい投資法?

――ありがとうございました。最後に、Yさんにとって、不動産投資とは?

Yさん:私は、数ある投資法の中でも損をしにくいのが不動産投資だと思っています。「そんな訳がない」「損をしている人もいる」という声が聞こえてきそうですが、そうした方々は、不動産会社の営業担当から言われた言葉や知識を鵜呑みにしていたり、面倒なことを不動産任せにしていたり、立地が悪い物件を購入してしまったり、必ず理由があります。

「不動産=リスクが高そう」と毛嫌いせず、失敗から学ぶ気持ちをもって継続すれば、必ず良い結果が得られると思っています。

本当はライバルが増えすぎるので投資のコツは教えたくなかったんです(笑)。だから題名を「秘密のワンルーム投資」としています。ほんの僅かな正しい知識と決断力があれば、中古ワンルーム投資はきっと成功しますよ。

<連載>サラリーマン大家の“秘密のワンルーム・賃貸経営術”
第1回:首都圏の中古ワンルーム物件で安定して収益を出す賃貸経営術とは?
第2回:不動産投資は目的意識が大事! 「インカムゲイン」と「キャピタルゲイン」
第3回:不動産投資物件を買うなら立地に注目! 街の成熟度と成長度を見極める
第4回:駅近? 築浅? 広さは? 不動産投資物件の“具体的な購入基準”を伝授
第5回:マンションは“管理”を買うべし。購入前の現地調査で後悔のない買い物を
第6回:買付証明書を出して迅速に交渉。ローンの借り入れはレバレッジ効果を狙え!
第7回:正しい知識があれば怖くない! 不動産投資のあらゆるリスクに備えた賃貸経営を

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この記事の筆者
斎藤若菜 住宅ライター

ラジオパーソナリティを経てフリーライターに。住宅・インテリア・不動産分野を中心として、介護・グルメ・トラベルなどのジャンルでも執筆。リフォームや注文住宅関連の住宅情報誌をはじめ、雑誌、書籍、新聞、インターネットなどのさまざまな媒体で取材・執筆を手掛けている。ARUHIマガジンでは、「住宅購入者ストーリー」などを担当中。

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