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この記事は、サラリーマン大家としてワンルーム経営を行っているYさんの“賃貸経営術”を紹介する、全7回の連載コラムです。第1回目の今回は、「安定して収益を出す賃貸経営術~首都圏中古ワンルーム物件編」をお届けいたします。

都内の金融機関で会社員として働く傍ら、首都圏の中古ワンルーム物件を購入し、賃貸経営を続けてきたYさん。継続して安定した収益を得ているそうですが、現在の投資術は、様々な失敗談から学んで導き出した手法なのだそうです。

どんなことを心掛ければ、リスクを抑えて安定した収益をあげることができるのか? Yさんが実践している賃貸経営術を、お聞きしました。

不動産投資に興味を持った背景

――「投資」と一口で言っても、株式や投資信託、FX、先物、債券、金など様々な方法があります。そんな中で、Yさんが不動産投資を始めたきっかけは何ですか?

Yさん:私は、ノンバンクで不動産担保ローンやワンルームローンの営業、銀行保証住宅ローンの審査業務などに従事してきました。その後、地方銀行を経て、現在はモーゲージバンクに勤務しています。

仕事を通じて、不動産投資で成功している人、失敗している人、いずれの話もたくさん聞いてきましたので、自然と不動産投資に興味を持ちました。特に失敗談は、大変参考になりましたね。要は、失敗した人と逆のことをすれば良いのです。

そうした実体験をもとに、最もニーズが高く、賃貸経営を成功させやすい投資対象は、「首都圏の中古ワンルームマンションである」という結論に達しました。

首都圏の中古ワンルームマンションにこだわる理由

――Yさんは「首都圏の中古ワンルームマンション」にこだわって投資物件を選ばれているそうですが、それも失敗談から学んだということでしょうか?

Yさん:はい。営業担当者に薦められ、言われるままにアパートを建ててしまう方がよくいるのですが、納得できる立地、需要の多い間取りでないと失敗するケースが多いと感じました。

世界の都市圏の人口データを公開するサイト(※1)によると、世界で最も人口が多い都市圏は東京・横浜エリアで推定3,784万人。また、アメリカのシンクタンク(※2)によると、東京圏は人口が最多というだけでなく、都市別GDP(域内総生産)でも世界1位を誇ります。世界一の経済圏で人口密度が高い市場が身近にある訳ですから、利用しない手はありません。

――ワンルームをお薦めする理由は?

Yさん:首都圏の単身者世帯が増加傾向にあるからです。東京都が2014年に発表した都内世帯数の長期予測によると、2030年には東京都内の約半数が単身世帯になるとのこと。若年層の晩婚化や未婚化、離婚の増加、高齢化により配偶者と死別して一人暮らしになる人も増えています。ワンルームの需要が増えるのは必然です。

しかし、東京都内では1980年代から現在に至るまで、ワンルームマンションの建築を規制する条例が多くの区で施行されています。具体的な規制内容は区により異なりますが、概ね「一戸あたりの専有面積を25平米以上にする」「一定戸数に対してファミリータイプの住戸を併設する」といったもので、手頃な家賃で賃貸に出せるワンルームマンションを新築することは難しい状況です。

背景には、住民として定着しづらく、地域コミュニティへの興味も希薄な単身者世帯を減らしてファミリー世帯を誘致したい思惑があるようですが…。前述の通り、単身者の割合が高い東京都では増え続ける需要に対し、供給が追い付いていない状況です。

アパート一棟よりもマンションの区分所有を

――単身者向けの住まいなら、アパートでも良さそうですが?

Yさん:不動産投資に興味を持っている方の中には、アパートの一棟購入を視野に入れている方も多いと思います。丸々購入すれば、共用部を含め自分の裁量でメンテナンスができることは魅力です。

しかし、木造アパートはRC造などのマンションに比べて老朽化が早く、修繕費やリフォーム代が嵩みますし、それらを怠れば賃料や空室率の低下に直結します。

また、一棟購入となると郊外の物件になりがちで、よほど資金に余裕がない限り、好立地での賃貸経営は難しいでしょう。立地の良し悪しは、空室リスクに直結します。こうした理由から、初心者の方には管理が容易で投資効率を上げやすい、マンションの区分所有をお薦めします。

今後の伸び代も期待できる東京

――都内のマンションはここ数年価格が上昇傾向にあると言われていますが“買い時”を待った方が良いのでしょうか?

Yさん:東京都内を中心とする不動産は、バブル崩壊後の「失われた20年」とリーマンショックで価格が下落。ここ数年は上昇傾向にありますが、世界的に見れば割安な市場です。世界各国の投資家から注目を集めており、海外の富裕層による個人購入も活発です。

現在も、2020年の東京オリンピックの開催に向けて、東京は変貌を続けています。品川の新駅構想やアジアヘッドクオーター特区構想など、東京の価値が向上する要素はまだまだあります。私はこれからも「首都圏の中古ワンルームマンション」にこだわった不動産投資をお勧めしていきます。(私は目標とするインカムゲインを達成しましたので今後物件を増やす予定はありません。予定ですが)

<参照>
※1 Demographia World Urban Areas Population Projections
※2 ブルッキングス研究所:都内世帯数の長期予測

【続きはこちら】連載第2回目「目的意識をもって投資すること“インカムゲイン”と“キャピタルゲイン”」

<連載>サラリーマン大家の“秘密のワンルーム・賃貸経営術”
第1回:首都圏の中古ワンルーム物件で安定して収益を出す賃貸経営術とは?
第2回:不動産投資は目的意識が大事! 「インカムゲイン」と「キャピタルゲイン」
第3回:不動産投資物件を買うなら立地に注目! 街の成熟度と成長度を見極める
第4回:駅近? 築浅? 広さは? 不動産投資物件の“具体的な購入基準”を伝授
第5回:マンションは“管理”を買うべし。購入前の現地調査で後悔のない買い物を
第6回:買付証明書を出して迅速に交渉。ローンの借り入れはレバレッジ効果を狙え!
第7回:正しい知識があれば怖くない! 不動産投資のあらゆるリスクに備えた賃貸経営を

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この記事の筆者
斎藤若菜 住宅ライター

ラジオパーソナリティを経てフリーライターに。住宅・インテリア・不動産分野を中心として、介護・グルメ・トラベルなどのジャンルでも執筆。リフォームや注文住宅関連の住宅情報誌をはじめ、雑誌、書籍、新聞、インターネットなどのさまざまな媒体で取材・執筆を手掛けている。ARUHIマガジンでは、「住宅購入者ストーリー」などを担当中。

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