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前回の連載第3回の記事では、「鉄骨住宅の構造・工法比較」についてご紹介しました。連載の4回目となる今回は、「鉄筋コンクリート(RC)住宅」を取り上げたいと思います。

「鉄筋コンクリート造」はその名の通り、鉄筋とコンクリートが一体になった構造のことで、マンションに多い構造です。Reinforced-Concrete(=強化されたコンクリート)の略から「RC造」とも呼ばれ、「ラーメン構造」と「壁式構造」「鉄筋鉄骨コンクリート造(SRC造)」などに分類されます。それぞれの違いや特徴をご紹介しましょう。

鉄筋コンクリート造の耐久性

(写真はイメージ)

鉄筋コンクリート造は、現場で鉄筋を組んで型枠を嵌め、コンクリートを流し込んで骨組みを作る工法です。鉄筋は引っ張る力(引張力)に強いものの、錆びやすく耐火性が低い一面があります。

一方、コンクリートは上から掛かる力(圧縮力)に強く、引張力には弱い特徴があります。鉄筋とコンクリートが互いの弱点を補い合うことで、変形しにくく耐久性が高い建物をつくることが可能に。アルカリ性の強いコンクリートで鉄筋を覆うことにより、錆の発生も防ぐことができます。

税法の基準で定められた耐用年数が、木造の22年、鉄骨造の34年と比べて、47年と長いことも耐久性を物語っており、地震や火災、台風などの災害に強いことが特徴です。

ラーメン構造

ラーメン(Rahmen)とはドイツ語で「枠」や「骨組み」のこと。柱と梁の接点を接合した「剛接合」で支える工法です。耐力壁やブレースを入れなくても、地震や風などの力に耐えることができます。室内に梁や柱の凹凸が露出するので、場合によってはデッドスペースが生まれたり、家具の配置に悩んでしまったりするかもしれません。新築マンションなどを購入される際は、事前にチェックしておきたいポイントです。

木造の在来工法同様、思い通りの間取りを作りやすい工法なので、中古物件を購入してリフォームしたい場合にも向いています。

壁式構造(モノコック構造)

梁や柱を設けず、耐力壁を配置することで荷重を支える工法です。壁・床・天井の6面体で力を受け止め、分散させるため、地震に対して強さを発揮します。建物を支える柱型や梁型が室内に出ないため、凸凹のないすっきりとした空間をつくれることも特徴。一般的に5階建て以下の建物に多く用いられます。

注意点は、開口部の大きさが制限されてしまうこと。耐力壁は基本的に動かすことができないため、将来大規模な間取り変更を含むリフォームを考えている場合にも注意が必要です。

 鉄骨鉄筋コンクリート構造(SRC造)

超高層マンションなど大規模な建物によく採用される構造です。鉄筋コンクリートの芯に鋼材(鉄骨)を入れ、細い柱で丈夫な建物を建てることができますが、施工が複雑な分、価格にも反映されてしまうため、高額な傾向にあります。

鉄筋コンクリート造のメリット・デメリット

(写真はイメージ)

1番のメリットは前述の通り、耐久性があること。適切なメンテナンスをすれば、一生涯住み続けることができます。コンクリートは不燃材料なので、耐火性にも優れています。鉄筋コンクリートの厚さが10cm以上あれば「耐火構造」として、防火地域にも建築が可能です。コンクリートは外部の音エネルギーを遮断するため、遮音性能が高く、楽器演奏を楽しみたい方やシアタールームが欲しい方にもお薦めです。

デメリットとしては、現地で鉄筋を組んでコンクリートを流すため、木造や鉄骨造と比べて工期が掛かり、コストも嵩むこと。また、コンクリートも鉄骨も重量があるので、地盤改良が必要になりがちで、予定外の出費となるかもしれません。また、コンクリートは自然環境に晒されることで中性化が進み、少しずつ劣化します。気温や湿度などの条件により、ひび割れや腐食が起こることも。そうした兆候を確認したら、原因を探り、手遅れとなる前に適切な補修を行いましょう。

鉄筋コンクリート住宅の住み心地は壁や床の厚さで決まる?

(写真はイメージ)

鉄筋コンクリート造の建物と言うと「夏は暑く、冬は寒い」という声をよく聞きます。これは、コンクリートの熱伝導率が高く、熱容量が大きいことが原因です。

「コンクリート打ち放しのデザインに惹かれたものの、夏も冬の家の中で過ごす時間が辛くて……」なんて失敗をしないために、壁の厚みが十分にあるか、きちんと断熱処理が行われているかを事前に確認すると良いでしょう。

鉄筋コンクリート造の家は気密性が高いため、断熱性能さえ確保できていれば冷暖房効率が良く、快適な温度で暮らすことができます。結露が生じやすいため、換気対策も入念に行うことをお薦めします。

 耐震性や耐火性能、遮音性を重視している方や予算に余裕がある方は、鉄筋コンクリート住宅を検討してみてはいかがでしょうか?

<マイホームの探し方>連載記事はこちら
【第1回】賃貸に住み続けるのとマイホーム購入どちらがお得?
【第2回】木造住宅の構造とさまざまな工法を比較
【第3回】鉄骨造住宅の構造と工法、特徴をご紹介
【第4回】鉄筋コンクリート(RC)住宅の構造・工法比較

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この記事の筆者
斎藤若菜 住宅ライター

ラジオパーソナリティを経てフリーライターに。住宅・インテリア・不動産分野を中心として、介護・グルメ・トラベルなどのジャンルでも執筆。リフォームや注文住宅関連の住宅情報誌をはじめ、雑誌、書籍、新聞、インターネットなどのさまざまな媒体で取材・執筆を手掛けている。ARUHIマガジンでは、「住宅購入者ストーリー」などを担当中。

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