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「公務員は住宅ローン金利が安くなる」「公務員の住宅ローン審査は甘い」といった話を、一度は聞いたことがあるかもしれません。かつては公務員専用の住宅ローンを取り扱っている金融機関があったようですが、今でも公務員は住宅ローンで優遇してもらえるのでしょうか? ここでは、公務員に対する住宅ローン審査の内容やポイント、公務員におすすめの住宅ローンなどについて見ていきましょう。

住宅ローンの金利優遇が公務員にはある?

かつては公務員専用金利や公務員専用住宅ローンがありました。現在も一部の金融機関では公務員専用のフリーローンを扱っているようですが、現在では、公務員専用の住宅ローンはどの金融機関も取り扱ってはいないようです。

住宅ローンの金利水準が大きく下がり、金融機関が受け取れる利息は少なくなっていますから、わざわざ金利を低く設定した公務員専用ローンを取り扱うメリットがないことが理由として考えられます。

では、公務員に対する優遇がなくなったかといえば、そうは言い切れません。公務員のように、雇用も収入も安定している職業の場合、金利の優遇が受けられる可能性が大きいと言えるからです。

実際に住宅ローンの優遇金利がある場合の効果は?

金融機関は審査の結果によって、住宅ローンの適用金利を決めています。金融業界や不動産業界では、勤務先が安定していて、高い収入を安定して得られるような人を「属性がいい」という言い方をしますが、そういう人たちは返済が滞るリスクが低いので、金融機関としては金利を優遇してでもローンを貸し付けたいというのが本音でしょう。「なんだ、たんなる優遇か」と軽んじてはいけません。審査による優遇幅がどれくらいあるのか、ある大手金融機関のケースを見てみましょう。

<ある大手金融機関の適用金利>(2017年4月時点)

金利タイプ 適用期間 適用金利
変動 −−−−−− 0.600%〜1.075%
固定金利選択 固定2年 0.725%〜1.20%
固定3年 0.725%〜1.20%
固定5年 0.725%〜1.20%
固定7年 0.775%〜1.25%
固定10年 0.875%〜1.35%
固定15年 1.125%〜1.60%
固定20年 1.175%〜1.65%

仮に金利優遇で0.4%の差が出ると、総返済額はどのくらい違ってくるのでしょうか。借入金額3,000万円、35年返済の場合について比較してみましょう。

<借入金額3,000万円、35年返済の場合の返済額の差>

金利(全期間固定) 毎月返済額 総返済額
1% 8.5万円 3,557万円
1.4% 9.1万円 3,797万円

0.4%の金利差とはいえ、総返済額は200万円以上の差が出ます。毎月返済額も、8万円台か9万円台かの差は大きいのではないでしょうか。このように、たとえ少しの幅でも、金利優遇の効果は大きいです。

なぜ公務員は金利優遇を受けやすいのか

改めて、公務員が優遇金利を受けやすいのはどうしてなのでしょうか。前述した通り、金融機関は勤務先が安定していて、高い収入を安定して得られる「属性のいい人」を優遇します。公務員が住宅ローン審査に有利な点をまとめてみましょう。

(1)雇用の安定
公務員は、通常であれば解雇はなく、民間企業のように倒産の心配もありません。横領や情報漏えいなど、特殊なケース以外では、定年まで雇用が約束されています。

(2)高い年収
公務員の給与は民間企業の給与水準に応じて決定されます。微調整や特別減額措置などもありますが、おおむね「民間企業の平均程度」と考えていいでしょう。しかしこの平均の分母には、非正規雇用の人々は入っていません。その意味では少し高めの平均額と考えていいでしょう。

(3)ボーナス払いの利用
民間企業の場合、業績に応じてボーナスがカットされることもあります。そのため、住宅ローン返済にボーナス払いを設定することはリスクが高いとされています。ですが、公務員の場合はボーナスが安定しているため、ボーナス月は住宅ローン返済額を多めに設定することが可能です。

(4)退職金が約束されている
ボーナス払いと同じく、退職金も約束されています。かつてより減額傾向になっているようですが、もらえることが約束されているというのは大きな強みです。退職金で一括返済、という手法が安心して使えるからです。

以上のような優位性が公務員にあります。これを金融機関側から見ると、公務員は住宅ローン返済を滞らせるリスクが低いという判断になると言えるでしょう。公務員に対する審査が他の職業の人と比べて甘いのではなく、公務員には審査に有利な条件が揃っていると考えるべきではないでしょうか。

公務員でも住宅ローン審査に通らないことはある?

審査に有利な条件が揃っている公務員といえども、金融機関は申込者それぞれについて個別に審査しますので、公務員だからという理由で住宅ローンの審査に100%通るということはありません。では、公務員でも審査を通らないのはどのような場合が考えられるのでしょうか。

公務員であっても、審査内容は同じと考えてください。気を付けるべきポイントも変わりありません。ですから、審査が通らないというのは次のようなケースが考えられます。

(1)信用情報に問題がある
クレジットカードなどの支払いを滞納してしまったなど、信用情報に問題がある場合は審査を通過するのがむずかしくなります。心配な人は信用情報を取り寄せ確認してみましょう。

(2)マイカーローンや家電ローンなど他の借り入れが多い
住宅ローンを借りる前に、その他の借り入れは清算してくことが望ましいです。

(3)収入に応じて借入額大きく、返済負担率が高い
返済負担率は高くても30%以下に抑えたいです。それを超えるようなら、頭金を入れたり、借入額を見直したりして返済負担率を下げることをおすすめします。

(4)健康状態
公務員といえども、団体信用生命保険(団信)への加入は必要です。団信とは、債務者が死亡した時などに保険料で住宅ローンの残債を支払うための保険です。公務員であっても、健康上の理由から団信に加入できない場合は、住宅ローン審査は通りません。一部、団信への加入が必須ではないローンもありますが、万が一の時にローンが支払えるかどうかを見極めて利用することをおすすめします。

こうして見てみると、公務員であっても審査のポイントは他の職業の方と変わらないことがおわかりいただけるとおもいます。住宅ローンの審査に落ちると、「審査に落ちた」ということも一定期間履歴に残ってしまいます。公務員だから大丈夫と安易に考えてしまわずに、上にあげたポイントを確認して、住宅ローンの融資を申し込む前に他の借り入れを返済しておくなど、対策をしておくことをおすすめします。

公務員におすすめの住宅ローンは?

前述したように、住宅ローンを組む上で、公務員の強みはその安定性にあります。昇給も安定していると言えますが、逆にいえば大きく収入がアップするということも考えづらいと言えるでしょう。たとえば、民間企業ならば業績アップで臨時ボーナスが支給される、ヘッドハンティングで年収が2割アップした、などということもあるかもしれませんが、公務員の給与はそういった急激な変化はなさそうです。

そのため、安定性の高い長期の固定金利型住宅ローンとの相性がいいのではないでしょうか。長期固定金利は完済までの毎月の返済額が見えるので、返済計画も立てやすく、住宅ローンの返済をしながら、無理なく教育費や老後資金を積み立てていくことが可能になります。全期間固定金利型住宅ローンの代表格と言える【フラット35】を検討してみてはいかがでしょうか。

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この記事の筆者
横山晴美 ファイナンシャル・プランナー

ライフプラン応援事務所代表 AFP FP2級技能士 住宅ローンアドバイザー
2013年にFPとして独立。企業に所属せず、中立・公平の立場で活動する。新規購入・リフォーム・二世帯住宅を問わず、家に関することなら購入額から返済計画まで幅広く対応。また、住宅購入は家計・教育費・老後資金・相続など多くの視点が必要なため、ライフプランを見据えた相談を行う。
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