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住宅ローンの相談にいらっしゃるお客さまから、「審査が通りやすいのはどこの金融機関ですか?」という質問を受けることがあります。住宅ローンを扱う金融機関は数多くありますが、基本的に金融機関が審査で見ているポイントは同じと言えます。同じような審査をしていても金融機関によって審査の厳しさは違うのか、審査が通りやすい金融機関があるのか、審査のポイントを見ながら考えてみましょう。

住宅ローンの借り入れの相談にいらっしゃったお客さまの中には、「金融機関によって審査の通りやすさは違うのですか?」とか「審査が甘い金融機関を教えてください」とおっしゃる方がいらっしゃいます。ネット銀行は審査が厳しいなどという話を聞いたことがある方もいらっしゃると思いますが、本当に、金融機関によって審査の甘さは違うのでしょうか。

住宅ローンの借り入れ先は主に3つ

まず、住宅ローンを扱う金融機関の種類について見てみましょう。住宅ローンは、主に民間銀行独自の住宅ローン商品、民間の金融機関と住宅金融支援機構が提携した長期固定金利住宅ローンの【フラット35】、それにモーゲージバンクの3つから借り入れることができます。

モーゲージバンクとは、一言で言えば「不動産を担保にした資金の貸出しを専門に行っている金融機関」のことで、主力商品の一つが住宅ローンです。モーゲージバンクと民間銀行との違いは資金調達の方法です。銀行は預金等を主な原資にするのに対して、モーゲージバンクは預金を集めず、住宅ローンを証券化して、投資家に販売することで資金を調達しています。これは【フラット35】とおなじ仕組みでもあり、モ-ゲージバンクの多くは【フラット35】を主力商品とした住宅ローンを提供しています。

なお、融資の審査は民間銀行と同じように独自の基準で審査をしますが、民間銀行より審査結果の結論が出るのが速いなどの特色もあります。

住宅ローン審査が通りやすい、審査が甘い金融機関はある?

では、民間銀行に独自の住宅ローンを申し込む場合と、民間銀行やモーゲージバンクに【フラット35】を申し込む場合、金融機関によって審査の通りやすさに違いはあるのでしょうか。

住宅ローンを借りる時の審査は、「事前審査」と「本審査」があります。民間銀行独自の住宅ローンを借り入れる場合、事前審査はその銀行で、本審査は保証会社で実施されます。一方、【フラット35】の場合は、事前審査は申し込みをした金融機関で、本審査は住宅金融支援機構で行い、融資の決定は住宅金融支援機構がします。

民間銀行独自の住宅ローンと【フラット35】とを比較してみると、民間銀行は、団体信用生命保険(団信)に加入することが必須で、健康でないと融資を受けることはできません。しかし【フラット35】では、団信加入は任意で、加入しなくも融資を受けることは可能です。

  民間銀行独自の住宅ローン 【フラット35】
審査 事前審査はその銀行で、本審査は保証会社で実施 事前審査は申し込みをした金融機関で、本審査は住宅金融支援機構で行う
団体信用生命保険(団信) 加入することが必須 団信加入は任意

また、それに加えて【フラット35】は保証人、保証料が必要ないことや勤続年数など借りる人の属性の審査についても、審査が通りやすいといえます。 ただし、【フラット35】の場合は、住宅金融支援機構が定めた技術基準に適合している住宅でないと、新築中古住宅も融資を受けられない点は、審査基準が厳しいところと言えるでしょう。

審査の甘さを考えるより、適正な金額で融資を受けることが大切

詳しくは後述しますが、基本的に住宅ローンの審査で金融機関が見ているポイントは同じです。たとえば年収の基準など、金融機関によって多少の差がありますが、どの金融機関も厳格な審査を行ったうえで貸し出しの可否を決定しています。ですから、金融機関によって多少、審査基準の違いがあっても、特別審査が甘い金融機関があるとは言えませんし、たとえ審査が甘い金融機関があったとしても、明らかに返済できないような融資を行うはずがありません。

審査の甘い金融機関を探すことを考えるのではなく、どの金融機関で審査を受けても問題なく融資を受けられる金額を借りること、つまり、無理なく返済を続けていける金額を借りることが大切と言えるでしょう。

ただし、ネット銀行について言えば、保証料がかからない場合が多く、その分、ネット銀行の審査は厳しいと言われています。保証料がかからないということは、保証会社を使わないということなので、万一、返済が滞った場合でも金融機関は保証会社から代位弁済を受けられないため、その分、リスクを負うことになります。そのため、リスクを避けようとして審査が厳しくなると言われているのです。

複数の金融機関で審査を受けるほうが通りやすくなる?

ところで、いざ住宅ローンの申し込みをしようとする時、複数の金融機関で審査を受けるほうが通りやすくなるのではないかと悩んでいる人もいるようです。これについては、結論から申し上げると、闇雲に審査に出すことはやめた方がいいと言えるでしょう。

なぜなら、金融機関は融資の審査をする時に、「個人信用情報」という個人の金融履歴をチェックします。各金融機関で審査を受けると、「個人信用情報」にも審査を受けたという履歴がつきます。他の複数の金融機関で審査を受けたことを知った金融機関が、「別の金融機関で審査に落ちたのだろうか。だからうちに審査を依頼したのだろうか」と無用な勘ぐりをして、審査が通りづらくなることもあるからです。

「個人信用情報」は事前に取り寄せて確認したほうがいい?

この「個人信用情報」には、借入金の有無、クレジットカード、カードローンや自動車ローン、公共料金、携帯電話やスマホ代の支払いの遅延や未払いの他、奨学金返金の滞納や未払い、DVDやCDなどレンタルの返却遅延などの情報が記載されています。自分の「個人信用情報」がどうなっているか知りたければ、次の「信用情報センター」から、本人でも有料で取り寄せることができます。

・シー・アイ・シー(CIC)
・日本信用情報機構(JICC)
・全国銀行個人信用情報センター(KSC)

ただ、ここで知っておいていただきたいのは、「信用情報センター」に問い合わせたこともこの「個人信用情報」に履歴として残るということです。金融機関に不要な疑念を持たれないためにも、金融履歴に問題のない人は、わざわざ取り寄せることはしない方がよいでしょう。必要のないことはしないということも大切です。

住宅ローン審査の内容と事前に押さえておくべきポイントは?

では、ここからは、具体的な審査の内容とその審査を受ける前に押させえておくべきポイントについてお話いたします。住宅ローンの審査は多岐にわたり、「借りる本人」と「物件の価値」から総合的に判断がされます。審査の主な内容は次の5項目です。

(1)勤続年数
通常サラリーマンも個人事業主の人も勤続3年以上が目安です。

(2)勤務先
大企業や公務員であれば収入の安定性は高いと評価されます。中小企業に勤務している場合には、大企業勤務の人に比べると審査はやや厳しめです。正社員でなくとも審査に通ることはできますが、審査は厳しくなるようです。

(3)健康状態
前述したように民間銀行独自の住宅ローンを借りる場合には、団信に加入することが必要です。したがって生命保険に加入できる健康状態でなければなりません。【フラット35】では、団信に加入は任意です。

(4)収入
金融機関によって違いがありますが、200~300万円以上の年収が必要です。個人事業主の人は、所得金額が審査の対象となります。対象は課税所得金額になりますが、青色申告者の特別控除額や専従者給与控除額を差引く前の所得金額を対象とする場合もあるようです。しかし、節税対策として極端に所得金額を少なくしている場合には借入れは難しくなります。

(5)物件の価値
金融機関は、融資したお金が返済不能になった場合に備えて、住宅ローンの契約者が購入した物件を担保として押さえ、返済が滞った場合などはその物件を競売等にかけて融資したお金を取り戻します。したがって、融資を受けるのに見合う物件であることが必要です。

このようなポイントも考慮することによって、より住宅ローンの審査の通りやすい金融機関、それに民間銀行独自の住宅ローンや【フラット35】といった、商品を選ぶことができるでしょう。

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この記事の筆者
牧野寿和 ファイナンシャル・プランナー

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、日本FP協会CFP(R)認定者
「人生の添乗員(R)」を名乗り、住宅取得計画やローンプラン、相続などの相談業務の他、不動産投資、賃貸経営のアドバイスも行っている。著書に「銀行も不動産屋も絶対教えてくれない! 頭金ゼロでムリなく家を買う方法」(河出書房新社)がある。

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