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2017年度の予算が3月下旬に成立し、【フラット35】Sと【フラット35】リノベが2017年4月以降も継続実施されることになりました。これらは、【フラット35】の申し込みをする人が一定の高品質・高性能住宅を取得する場合に金利が優遇される制度です。あらためて制度内容を確認しておきましょう。

【フラット35】S、【フラット35】リノベは、高品質・高性能の住宅の取得を促す制度

【フラット35】は、住宅金融支援機構(以下「機構」といいます)と民間金融機関が提携して提供する全期間固定金利タイプの住宅ローンです。機構が政府系の独立行政法人ということもあり、【フラット35】には国の経済政策や住宅政策が反映されます。建築基準法だけでなく、機構が定めた技術基準に適合した住宅であることを融資条件にしており、一定以上の品質や床面積、高い安全性の住宅の建築を促しています。

【フラット35】Sは、【フラット35】の技術基準に加え、省エネルギー性、耐震性等、さらに品質の高い住宅を取得する場合に、【フラット35】の金利を一定期間引き下げる制度です。

【フラット35】リノベは、中古住宅を購入して性能向上リフォームを行う場合、または、住宅事業者により性能向上リフォームが行われた中古住宅を購入する場合に、【フラット35】の金利を一定期間引き下げる制度です。

いずれも金利引き下げの原資は国の予算です。つまり、国が高品質・高性能の住宅の取得をあと押ししているということができます。

現在の住宅ローン金利は、市場金利の低下を背景に、低金利水準となっていますが、これらの制度を活用すれば、さらに低い金利で住宅ローンを借りることができ、返済負担を軽減することが可能です。

【フラット35】Sの金利引き下げ幅は、申込受付日によって年▲0.3%か年▲0.25%

住宅ローン【フラット35】Sの金利引き下げ期間、金利引き下げ幅は、以下の通りです。

金利引き下げプラン 金利引き下げ期間 金利引き下げ幅

【フラット35】S(金利Aプラン)

当初10年間

2017年9月30日以前の申込受付分:年▲0.3%
2017年10月1日以後の申込受付分(2018年3月31日まで):年▲0.25%

【フラット35】S(金利Bプラン)

当初5年間

【フラット35】Sには、金利Aプランと金利Bプランの2種類があり、Aプランのほうが、住宅品質基準が高く設定されています。金利引き下げ期間は金利Aプランが当初10年間、Bプランは当初5年となっています。

金利引き下げ幅はいずれも同じですが、上の表のとおり、2017年9月30日までは年▲0.3%、10月1日以後は年▲0.25%となっており、早く申し込みをすると引き下げ幅が大きい点に注意が必要です。

また、2018年3月31日までの申込受付分が適用対象となりますが、【フラット35】Sには予算金額があるため、予算金額に達する見込みとなった場合は、途中で受付が終了することにも注意が必要です。

なお、【フラット35】Sの適用を受けるには、取得する住宅が、【フラット35】の技術基準に加えて【フラット35】Sの技術基準を満たす必要があります。基準の詳細は、【フラット35】Sの対象となる住宅:住宅金融支援機構HPで確認ください。

【フラット35】と【フラット35】Sの比較

<条件>
借入額:3,000万円、返済期間:35年、返済方式:元利均等返済方式、ボーナス返済なし
【フラット35】金利:1.12%(2017年4月において、返済期間が21年以上35年以下、融資率9割以下の場合で取扱金融機関が提供する最も多い金利)

  【フラット35】

【フラット35】S(Aプラン)

【フラット35】S(Bプラン)

金利

全期間:1.12%

当初10年間:0.82%
11年目以降:1.12%

当初5年間:0.82%
6年目以降:1.12%

毎月返済額

全期間:86,373円

当初10年間:82,192円
11年目以降:85,212円

当初5年間:82,192円
6年目以降:85,796円

返済総額 36,276,660円 35,426,640円 35,818,080円
【フラット35】との差 ▲850,029円 ▲458,580円

※【フラット35】Sは、2017年9月30日までの申込受付分

【フラット35】リノベの金利引き下げ期間、金利引き下げ幅は、以下の通りです。

金利引き下げプラン 金利引き下げ期間 金利引き下げ幅

【フラット35】リノベ(金利Aプラン)

当初10年間

2018年3月31日までの申込受付分:年▲0.6%

【フラット35】リノベ(金利Bプラン)

当初5年間

【フラット35】リノベも、金利Aプランと金利Bプランの2種類があり、Aプランの性能向上リフォームの基準が高く設定されています。金利引き下げ期間はAプランが当初10年、Bプランは当初5年としており、金利引き下げ幅はいずれも年▲0.6%としています。なお、【フラット35】リノベも2018年3月31日までの申込受付分が適用対象となりますが、これにも予算金額があり、予算金額に達する見込みとなった場合は、途中で受付が終了することに注意が必要です。

なお、【フラット35】リノベの適用を受けるには、取得する住宅が、【フラット35】の技術基準に加えて【フラット35】リノベの技術基準を満たす必要があります。基準の詳細は、【フラット35】のサイト等で確認ください。

【フラット35】と【フラット35】リノベの比較

<条件>
借入額:3,000万円、返済期間:35年、返済方式:元利均等返済方式、ボーナス返済なし
【フラット35】金利:1.12%(2017年4月において、返済期間が21年以上35年以下、融資率9割以下の場合で取扱金融機関が提供する最も多い金利)

  【フラット35】

【フラット35】リノベ(Aプラン)

【フラット35】リノベ(Bプラン)

金利

全期間:1.12%

当初10年間:0.52%
11年目以降:1.12%

当初5年間:0.52%
6年目以降:1.12%

毎月返済額

全期間:86,373円

当初10年間:78,141円
11年目以降:84,028円

当初5年間:78,141円
6年目以降:85,201円

返済総額 36,276,660円 34,585,320円 35,360,820円
【フラット35】との差

▲1,691,340円 ▲915,840円

【フラット35】子育て型や【フラット35】地域活性化型と併用できれば、さらに金利優遇が広がる!

【フラット35】Sと【フラット35】リノベを併用することはできません。しかし、2017年度に創設された新しい金利優遇制度、【フラット35】子育て型や【フラット35】地域活性化型と併用することは可能です。

併用ができれば、【フラット35】Sや【フラット35】リノベの金利優遇が拡大されるため、さらに有利に住宅ローンを組むことができます。

詳細は、下記参考記事でも紹介しています。
(参考:【フラット35】の新しい金利優遇制度、「子育て支援型」・「地域活性化型」がスタート!

住宅ローンを選ぶときは、【フラット35】以外の住宅ローンも比較・検討する!

近年、【フラット35】の金利優遇制度の種類が増えてきました。これらの制度を活用すれば【フラット35】をより低金利で借りることができます。

なお、【フラット35】はさまざまな金融機関が取り扱っており、提示している金利や融資事務手数料などのコストが金融機関によってまちまちです。したがって、どの金融機関から【フラット35】を借りるかという点が大切です。金融機関ごとに金利やコストを比較して選ぶようにしましょう。

さらにいうと、住宅ローンは【フラット35】だけではありません。さまざまな銀行が独自の住宅ローンを提供しています。これらは、【フラット35】と違って、ほとんどの場合で団体信用生命保険に加入しても保険料を自分で払う必要がありません。また、住宅が技術基準に適合しているかどうかを調べるための有料検査を受ける必要もありません。

金利優遇制度があるから【フラット35】が有利だと決めつけて考えるのではなく、多くの銀行が独自に提供している住宅ローンも比較・検討の俎上に乗せた上で、自分にとって有利な住宅ローンを選択するようにしましょう。

【関連記事】【フラット35】リノベで金利が0.6%引き下げに?! 2016年10月からスタート!

(参考)
【フラット35】 リノベ:住宅金融支援機構
【フラット35】2017年4月の主な制度変更事項のお知らせ:住宅金融支援機構

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住宅ローン情報

この記事の筆者
中村宏 ファイナンシャル・プランナー

ファイナンシャル・プランナー(CFP)、住宅ローンアドバイザー

個人相談、セミナー講師、新聞や雑誌・Webの記事執筆や取材協力が主な業務。
暮らしのお金に関するお役立ち情報として、無料のメールマガジン「生活マネー ミニ講座」(平日:毎日)を配信中。

FPオフィス ワーク・ワークス代表

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