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2017年4月から【フラット35】の新しい金利優遇制度がスタートしました。名称は「【フラット35】子育て支援型」と「【フラット35】地域活性化型」。いずれも、地方公共団体の財政的支援とあわせて、【フラット35】の当初一定期間の金利を引き下げる制度です。どのような仕組みなのでしょうか。

都道府県や市区町村が「子育て支援」や「地域活性化支援事業」を行うことが前提

【フラット35】は、住宅金融支援機構(以下、「機構」といいます)が民間金融機関と提携して提供する全期間固定金利タイプの住宅ローンです。

この【フラット35】の新しい金利優遇制度、「【フラット35】子育て支援型」と「【フラット35】地域活性化型」が2017年4月からスタートしました。いずれも当初一定期間、【フラット35】の金利を引き下げる制度です。

この制度の特徴は、都道府県や市区町村が独自に子育て支援事業や地域活性化事業(UIJターン、コンパクトシティ形成)を実施し、住宅の取得に対して補助金等の交付をすることが条件となっています。

子育て支援とは、たとえば「子育て世代とその親世代との同居や近居を促す施策」などです。地域活性化とは、「他地域からの移住・定着策、また、居住誘導地域への住み替えの促進」などです。

実際の金利優遇対象の可否は、都道府県や市区町村が応募にもとづいて住宅金融支援機構が審議して認定し、住宅の条件は都道府県や市区町村が地域の実情を踏まえて決定します。そのため、地域によって金利優遇の適用を受けられるかどうかが異なります。適用を受けるには、取得する住宅の場所が、対象となる都道府県や市区町村にあるかどうか、また、取得する住宅等が要件を満たすかどうかを、あらかじめ確認する必要があります。

金利引き下げ幅は、いずれも制度も【フラット35】の金利から、当初5年間、年▲0.25%です。

  金利引き下げ期間 金利引下げ幅
【フラット35】子育て支援型 当初5年間 年▲0.25%
【フラット35】地域活性化型

【フラット35】子育て支援型/【フラット35】地域活性化の金利引き下げ例

<条件>
借入額:3,000万円、返済期間:35年、返済方式:元利均等返済方式、ボーナス返済なし
【フラット35】金利:1.12%(2017年4月において、返済期間が21年以上35年以下、融資率9割以下の場合で取扱金融機関が提供する最も多い金利)

  【フラット35】

【フラット35】子育て支援型【フラット35】地域活性化型

金利 全期間:1.12%

当初5年:0.87%
6年目以降:1.12%

毎月返済額 全期間:86,373円

当初5年:82,880円
6年目以降:85,893円

総返済額 36,276,660円 35,894,280円
【フラット35】との差額 ▲382,380円

【フラット35】S、【フラット35】リノベと併用すれば、さらに優遇される!

【フラット35】には従来から【フラット35】S、【フラット35】リノベという金利優遇制度があります。【フラット35】Sは一定の省エネルギー性・耐震性等、質の高い住宅を取得する場合に当初一定期間金利を引き下げ、【フラット35】リノベは中古住宅を購入後に一定の性能向上リフォームをする場合や、性能向上リフォームが行われた中古住宅を取得する場合に当初一定期間金利を引き下げる制度です。

(参考記事)【フラット35】Sの仕組みや利用できる住宅の基準を解説【フラット35】リノベで金利が0.6%引き下げに?! 2016年10月からスタート!

今年度スタートした「【フラット35】子育て支援型」と「【フラット35】地域活性化型」は、それぞれ【フラット35】S、【フラット35】リノベの要件を満たせば併用することができ、金利の優遇幅はさらに広がります。

【フラット35】Sと併用する場合の金利優遇

【フラット35】Sには、金利Aプランと金利Bプランがあり、それぞれの金利優遇は、以下の通りです。

  金利引き下げ期間 金利引下げ幅

【フラット35】S金利Aプラン

当初10年間 年▲0.3%

【フラット35】S金利Bプラン

当初5年間

※2017年10月1日の申込受付分からは年▲0.25%

これらと「【フラット35】子育て支援型」、「【フラット35】地域活性化型」を併用すると、それぞれの引き下げ幅が合算されます。

  金利引き下げ期間と引き下げ幅

【フラット35】子育て支援型・地域活性化型+【フラット35】S 金利Aプラン

当初5年間▲0.55%

6年目~10年▲0.3%

【フラット35】子育て支援型・地域活性化型+【フラット35】S 金利Bプラン

当初5年間▲0.55%

【フラット35】リノベと併用する場合の金利優遇

【フラット35】リノベにも、金利Aプランと金利Bプランがあり、それぞれの金利優遇は、以下の通りです。

  金利引き下げ期間 金利引下げ幅

【フラット35】リノベ金利Aプラン

当初10年間 年▲0.6%

【フラット35】リノベ金利Bプラン

当初5年間

【フラット35】リノベと併用する場合は、【フラット35】リノベの金利引き下げ期間が2年間延長されます。

  金利引き下げ期間 金利引下げ幅

【フラット35】子育て支援型・地域活性化型+【フラット35】リノベ 金利Aプラン

当初12年間 年▲0.6%

【フラット35】子育て支援型・地域活性化型+【フラット35】リノベ 金利Bプラン

当初7年間

このように、新しくできた【フラット35】子育て支援型、【フラット35】地域活性化型は、それぞれ単独でも金利の優遇を受けることができますが、【フラット35】Sや【フラット35】リノベと併用できれば、さらに有利になります。住宅ローンとして【フラット35】の活用を考える場合には、金利やコストを踏まえてどの金融機関が有利かを比較、検討するとともに、どの優遇制度が活用できるかということもしっかり確認するようにしましょう。

なお、これら4つの優遇制度の適用を受けるには、【フラット35】の要件とともに、各制度の要件も満たす必要があります。また、これらには予算金額があり、予算金額に達する見込みとなった場合、受付が終了するにも注意が必要です。

(参考)
【フラット35】2017年4月の主な制度変更事項のお知らせ:住宅金融支援機構
【フラット35】子育て支援型 ・ 【フラット35】地域活性化型:アルヒ株式会社

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この記事の筆者
中村宏 ファイナンシャル・プランナー

ファイナンシャル・プランナー(CFP)、住宅ローンアドバイザー

個人相談、セミナー講師、新聞や雑誌・Webの記事執筆や取材協力が主な業務。
暮らしのお金に関するお役立ち情報として、無料のメールマガジン「生活マネー ミニ講座」(平日:毎日)を配信中。

FPオフィス ワーク・ワークス代表

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