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Q. 自分たちの親と「貯蓄」や「資産運用」の考え方が違うので、親から相続資産が自分たちにもらえないのではないかと心配です。何か打つ手はありますか?(30代夫婦)

親世代と貯蓄や資産運用の考え方が違って当たり前

私の実務経験から考えてみますと、30代の子どもとその親世代では、貯蓄や資産運用の考え方が違ってこそ正常だと思います。なぜなら、現在30代くらいの方の親御さんが30代、40代の頃は、バブル景気の最中、もしくはその前後で、銀行の定期預金金利が年5.0%以上にもなっていた時代です。

ここ約20年間は低金利で銀行に預金をしてもほとんど利息はつきませんが、年利5.0%の定期預金であれば、100万円を10年間銀行に預けておくだけで利息が約62万円もつきました。その他にも土地や株価の高騰など、バブル時代を経験した世代と、その時代を知らない若い人では、貯蓄や資産運用についての考え方が違うのは当然のことといえるでしょう。

相続資産は“残っていたらもらう”という考え方に

また、「相続資産がもらえるのか」ご心配とのことですが、そもそもその資産は親のものです。確かに、子には親の財産を相続する権利がありますが、本来、その資産は親が自分たちの老後の生活を無理なく過ごすために使っていくものです。

ですから、厳しいことを申し上げるようですが、資産運用を考えるのであれば、まずはご自身の資金で、ご自身の思う通りの運用をされてはいかがでしょうか。また、相続については、ご両親が亡くなった後に「残っていたらもらう」という考え方をすれば心配もなくなるのではないでしょうか。

相続について話し合っておいたほうがよい3つのケース

しかし、もし次の3つケースのような相続が想定される場合は、相続資産がもらえるか心配をしている場合ではなく、親が生きている間に相続について話し合い、必要であれば事前に金銭的な準備をしておくことをおすすめします。

【ケース1】
あきらかに相続税がかかることがわかっている場合

【ケース2】
相続税はかからないが、子どもが複数いて、今親が住んでいる家など親の資産を、子どもが均等に分けるのが困難な場合

【ケース3】
子どもが“相続を受けたくない”と思っているものを、親が持っている場合。たとえば、老朽化した賃貸住宅を親が所有していて、相続を受けても賃貸経営を続けていくことが難しい場合、または売却をするにしてもコストがかかる場合など

もし、直接、親と話し合いをすることが難しいようであれば、たとえば親戚など信頼できる人に間に入ってもらうなりして、親が生きている間に善後策を打っておくことが必要です。

「生前贈与」を検討したほうがいい場合も

また、子どもが自分たちの住宅を購入する際に、親から「生前贈与」を受けたほうがいい場合もあります。子どもが住宅を購入する時点で親に生前贈与をしてもらえれば、住宅取得資金等の非課税制度や相続時精算課税など、優遇税制の対象になる場合もあり、住宅購入資金の融資額やその利息分の削減ができ、適切な相続(生前贈与)と言えます。

ただし、生前贈与を検討する場合は、親自身が老後の生活資金の準備ができていること、また、親自身が亡くなった後に子どもへの金銭的(現金)な相続をする準備ができていることが望ましいでしょう。

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この記事の筆者
牧野寿和 ファイナンシャル・プランナー

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、日本FP協会CFP(R)認定者
「人生の添乗員(R)」を名乗り、住宅取得計画やローンプラン、相続などの相談業務の他、不動産投資、賃貸経営のアドバイスも行っている。著書に「銀行も不動産屋も絶対教えてくれない! 頭金ゼロでムリなく家を買う方法」(河出書房新社)がある。

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