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Q.息子の進学にあたり、実家の父が費用の援助を申し出てくれました。教育資金の贈与を受ける際に贈与税がかからない制度があるそうですが、どんな制度ですか?(40代 女性)

金融機関経由で行う「教育資金の贈与」

ご質問の「教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置」は、“30歳未満の人”が、“祖父母等の直系尊属”から、“金融機関経由で一定の手続きを経て教育資金の贈与を受けた場合”に最高1,500万円まで、贈与税が非課税になる制度です。

この制度の適用を受けるには、金融機関等に受贈者(孫等)の名義の教育資金口座を開設し、教育資金非課税申告書をその金融機関経由で税務署に提出しなければなりません。

祖父母等から贈与されたお金は教育資金口座で管理され、受贈者である孫等は、教育資金が必要になる都度、その口座から必要な金額を払い出して教育資金を支払います。払い出しの際には、教育資金に充てたことが証明できる書類として、領収書等を金融機関に提出する必要があります。

対象となる「教育資金」は、学校等に払う費用だけではありません。学校以外(塾、習い事等)に対して払われる資金も500万円を限度として対象になります。

どんな費用が対象になるかなどは、文部科学省のホームページのQ&Aにも詳しく掲載されているので、ご確認ください。

参考:文部科学省 教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税置
http://www.mext.go.jp/a_menu/kaikei/zeisei/1332772.htm

<教育資金贈与の特例の概要>

対象期間 平成25年4月1日から平成31年3月31日まで
贈与者(あげる人) 受贈者の直系尊属(祖父母等)。年齢制限はない
受贈者(もらう人) 贈与者の30歳未満の直系卑属(孫等)
対象となる使い道 学費などの教育資金。塾、習い事等の学校以外への支払いも対象となる
非課税限度額 1,500万円(ただし、学校以外への支払いは500万円が限度)
金融機関での手続き

・教育資金口座の開設

・教育資金非課税申告書を金融機関経由で税務署へ提出

・受贈者は、払い出した金銭に係る領収書等を一定期間内に金融機関等に提出する

・金融機関等は、領収書等の確認及び記録を行う

教育資金口座契約が終了する事由

・受贈者が30歳に達したこと

・受贈者が死亡したこと

・口座残高がゼロになり、かつ、その口座に係わる契約を終了させる合意があったこと

教育資金口座を開設する金融機関等 信託銀行、銀行等、証券会社

教育資金として、まとまった金額を贈与したい場合のための制度

このように、「教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置」の適用を受けると、教育資金としてまとまった金額の贈与を受けても贈与税が非課税になります。ただし、教育資金口座を開設し、非課税申告書を提出し、教育資金として払い出しを受けるときには領収書等の提出も必要で・・・と、手続きに手間もかかります。

そもそも、夫婦や親子、兄弟姉妹などの扶養義務者から、生活費や教育費に充てるための資金を必要な都度受け取り、直接支払いに充てるような場合には、贈与税は課税されません。

また、贈与税には一人年間110万円の基礎控除があるので、年間110万円以下の贈与を受けるのであれば、使途を教育資金に限ることなく、贈与税はかかりません。したがって、教育費が必要な都度、祖父母等から資金援助してもらえるなら、わざわざ教育資金一括贈与の非課税制度を利用しなくてもよいでしょう。

まずは「手続きが必要であっても、まとまった金額の教育資金贈与を受けたい」のかどうか、検討してみてください。

贈与額は、無理のない金額で

教育資金口座の契約は、受贈者が30歳になると終了します。その際、口座にお金が残っていれば残額に贈与税が課税されます。多額の教育資金を贈与してもらっても、将来贈与税を支払うことになるかもしれないので、受贈者となる方の今後の教育費がどれくらいかかるかを考えて贈与金額は決めましょう。

また、祖父母等に教育資金を出してもらえるのはありがたいことですが、そのために祖父母等の老後生活資金等が足りなくなっても困ります。祖父母等の家計に無理のないかも確かめた上で、贈与を受ける金額を話し合ってみてください。

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この記事の筆者
大林香世 ファイナンシャル・プランナー

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、日本FP協会CFP(R)認定者

ライフプランから見て無理のない住宅購入計画やローンプラン、保険や相続、資産運用などの相談支援業務を行っている。各種セミナー講師、新聞・Webサイト等へのコラム執筆でも活動中。

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