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住宅購入は大きな出費ですが、住宅取得等資金の贈与や住宅ローン減税、すまい給付金などの家計負担を軽くする制度も用意されています。早めに条件を確認して、計画的に動きましょう。

「すまい給付金」は、品質確認された住宅が対象

「すまい給付金」は、一定の収入以下のご家庭向けに設けられている制度です。おもに住宅ローン利用者が対象ですが、現金取得の場合も50歳以上の方の場合は対象になります。

給付額は、消費税率8%時は収入額の目安が「510万円以下」の方を対象に最大30万円、10%時は収入額の目安が「775万円以下」の方を対象に最大50万円となります。

なお、給付額の計算は、住宅取得者の収入及び不動産登記上の持分割合によって変わります。収入額は都道府県民税の所得割額で判断されます。
すまい給付金は、下表のように、第三者の検査によって一定の品質が確認された住宅が対象です。新築住宅の場合は工事中の検査が必要なので、住宅建築に動きだす前に、条件を確認しておきましょう。

<すまい給付金の対象となる住宅>

  新築住宅 中古住宅
住宅ローン利用者の要件

・自らが居住する
・床面積が50㎡以上
・工事中の検査により品質が確認された次の住宅

  • ・住宅瑕疵担保責任保険に加入
  • ・建設住宅性能表示制度を利用 等

・売主が宅地建物取引業者である
・自らが居住する
・床面積が50㎡以上
・売買時等の検査により品質が確認された次の住宅

  • ・既存住宅売買瑕疵保険に加入
  • ・既存住宅性能表示制度を利用(耐震等級1級以上に限る)
  • ・建設後10年以内で、新築時に住宅瑕疵担保責任保険に加入または建設住宅性能表示制度を利用
現金取得者の追加要件

上記ローン利用者の要件に加えて、
・フラット35Sの基準を満たす
・50歳以上(住宅を引き渡された年の12月31日時点)
・収入額の目安が650万円以下(都道府県民税の所得割額が13.30万円以下)

 

上記ローン利用者の要件に加えて、
・50歳以上(住宅を引き渡された年の12月31日時点)
・収入額の目安が650万円以下(都道府県民税の所得割額が13.30万円以下)

参考:国土交通省 すまい給付金 http://sumai-kyufu.jp/index.html

住宅取得等資金の贈与を受けるなら、贈与の翌年3月15日までに「引き渡し」

住宅購入資金を親や祖父母等から援助してもらえるとき利用したいのが、「住宅取得等資金贈与の特例」

平成33年12月31日までに親や祖父母などの直系尊属から住宅購入資金の贈与を受けた場合、一定金額まで贈与税が非課税(平成29年は省エネ等住宅の場合は1,200万円、それ以外の住宅は700万円)になります。

 この特例の適用条件は下記のとおりですが、注意したいのが「贈与の翌年の3月15日までに住宅を所有し、遅滞なく居住しなくてはならない」点です。

例えば、来年5月に完成・引き渡し予定の物件を今年中に契約し、手付金などの支払いのために今年中に贈与を受けた場合、翌年3月15日までに所有することはできませんから、この特例は適用できないことになります。

物件の完成、引き渡しまでのスケジュールと支払期限、非課税制度を受けるための期限を把握して、贈与を受けるタイミングを考えましょう。
なお、この非課税制度を利用する場合は、納めるべき贈与税がなくても、確定申告する必要があります。

<住宅取得等資金贈与の特例のおもな要件>

受贈者(贈与を受ける人)の条件

・贈与者の直系卑属(子、孫等)であること
・贈与を受けた年の1月1日時点で20歳以上であること
・贈与を受けた年の合計所得金額が2,000万円以下であること

贈与者(贈与する人)の条件 ・受贈者の直系尊属(親、祖父母等)であること
対象となる物件の条件

・住宅の床面積(登記簿面積)が50㎡以上240㎡以下
・中古住宅の場合は以下3つのいずれかを満たすもの
(1)マンションなど耐火建築物は築25年以内、木造などは築20年以内
(2)一定の耐震基準をみたすことが証明された住宅
(3)購入後に耐震改修工事を行い、贈与を受けた年の翌年3月15日までに一定の耐震基準に適合すると証明された住宅

時期などの条件

・贈与を受けた年の翌年の3月15日までに、贈与された住宅取得資金全額を使って住宅を新築などして、住宅を所有すること
・贈与を受けた年の翌年の3月15日までに、その住宅に居住すること。または、その後遅滞なく入居することが確実と見込まれること(翌年の年末までに入居しない場合、この制度は適用されず、修正申告が必要となる)

参考:直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税(国税庁) https://www.nta.go.jp/taxanswer/sozoku/4508.htm ble

住宅と共に土地も取得するなら、土地に対する住宅ローンも「住宅ローン控除」の対象

平成33年12月31日まで、一定条件を満たす住宅ローン利用者が適用を受けられる「住宅ローン控除」は、10年間の間、「年末のローン残高の1%」が「納めるべき所得税額」から差し引かれる税額控除制度です。

所得税から控除しきれない金額は、翌年の住民税からも控除されます。「認定住宅(認定長期優良住宅・認定低炭素住宅)」の場合には、より大きい控除が受けられます。

<住宅ローン減税の控除限度額>

平成26年4月1日から平成31年6月30日まで

借入金等の年末残高の限度額 控除率 各年の控除限度額 10年間の最大控除額
一般住宅の場合 4,000万円 1% 40万円 400万円
認定住宅の場合 5,000万円 50万円 500万円

※住宅の対価または費用の額に含まれる消費税等の税率が8%または10%である場合

<住宅ローン減税のおもな要件> 

  一般の住宅 認定住宅の特例
控除の対象となるローンの額

次の目的のための借入金等(償還期間10年以上)の年末残高
・住宅の新築・取得
・住宅の取得と共にする敷地の取得
・一定の増改築等

次の目的のための借入金等(償還期間10年以上)の年末残高
・認定住宅の新築・取得
・認定住宅の取得と共にする敷地の取得

対象住宅等

・家屋の床面積が50㎡以上であること
・床面積の2分の1以上が専ら自己の居住の用に供されるものであること

・住宅の新築、新築住宅の取得
・中古住宅の場合、築後20年以内(耐火建築物は25年以内)または、一定の耐震基準に適合すること

・認定住宅である住宅の新築
・認定住宅である新築住宅の取得

利用者の所得要件

この控除を受ける年の合計所得金額が3,000万円以下

入居や居住の時期

新築または取得日から6カ月以内に入居し、引き続き居住していること

住宅ローン控除の対象は、一定の条件を満たす住宅に対するローンで、土地のみの購入を対象としたローンは対象外です。

ただし、住宅と敷地を同時に購入する場合や、住宅の新築の日前2年以内にその敷地を取得したなどの条件を満たせば、土地部分に対するローンも控除制度の対象となります。土地を先に購入して、その後住宅を建築する予定の方は、スケジュールに注意しましょう。

なお、この控除制度を受ける最初の年は、年末調整を受ける会社員等であっても確定申告が必要です。2年目以降は、年末調整で控除が受けられます。

参考: マイホームの取得や増改築などしたとき(国税庁)  https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/shoto303.htm
          住宅ローン控除については、過去のコラム「税金はいくら減る?「住宅ローン控除額」の計算方法」  

条件を見落としていたり、ちょっとしたミスで条件を満たせなかったりして、減税や給付金が受けられないと、その後の住宅資金計画も家計のやりくりも、予定が狂ってしまいますよね。住宅購入に動き出す前に減税制度や給付金制度を確認し、いつまでに何を行えばいいのか、どんな条件があるのかなど、具体的に確認しておきましょう。

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この記事の筆者
大林香世 ファイナンシャル・プランナー

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、日本FP協会CFP(R)認定者

ライフプランから見て無理のない住宅購入計画やローンプラン、保険や相続、資産運用などの相談支援業務を行っている。各種セミナー講師、新聞・Webサイト等へのコラム執筆でも活動中。

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