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Q. 最近、介護負担額が増えるような話を聞きますが、どの程度介護のために準備しておけば安心ですか?(50代/男性/会社員)

“公的介護保険制度”が受けられるのは? 自己負担はどの程度? 

「病気」と並んで将来の不安にあげられるのが「介護」です。

実は、すべての人がいわゆる“公的介護保険制度”を利用できるわけではなく、制度を利用することができるのは、65歳以上で「要介護、要支援」と認定された人、および40~64歳で老化に伴う病気やケガが原因で「要介護、要支援」になった人のみです。

市区町村に申請をして要介護、要支援と認定されれば適用を受けられます。

この条件に該当しない場合に介護状態になった場合、「公的介護保険サービスにかかる1割自己負担」「公的介護保険給付対象外のサービス費用」、おむつやナプキンなどの「日常生活にかかるお金」「家族の移動にかかるお金」、あるいは「自分の満足のいく介護サービスを受けるための費用」については、貯蓄や民間の介護保険などで準備する必要があります。

この自己負担割合を将来的に引き上げる法案が出されています。

法案の中では、65歳以上で介護サービスの利用者のうち、年金収入だけで年収383万円以上の単身者などの自己負担割合を、2018年8月から2割から3割に引き上げるとしていています。

2015年8月に一部の対象者の自己負担割合を1割から2割に上げたばかりの改正で、将来的には負担割合が2割や3割に上がる対象者が増える可能性は大です。

ちなみに、今回の改正で、実際に負担が増えるのは利用者の3%に当たる、およそ12万人とのことです。

また、40歳から64歳の人が支払う介護保険料について、収入が高くなるにつれて負担額も増える「総報酬割」を、2017年8月から段階的に導入し、平成32年度に全面的に実施するとしています。

保険料は高くなるけれど、給付は減る、といった状況ですね。

介護では、どの程度お金がかかる?

では、どの程度介護費用として事前に準備しておく必要があるのでしょうか?
生命保険文化センター調査(平成27年度)によると、在宅の場合、介護に要した費用(公的介護保険サービスの自己負担費用を含む)は、

  ・住宅改修や介護用ベッドの購入などの一時費用の合計が平均80万円
  ・月々の費用が平均7.9万円
  ・平均介護期間は4年11カ月(4年以上の長期間介護した割合も4割超)

もちろん介護度にもよりますが、月平均7.9万円とすると、年間では約95万円、期間約5年で475万円です。

一時費用の80万円を合計すると約555万円、つまり「介護費用として、一人555万円がひとつの目安」と言えそうです。

ただし、施設に入るとさらに生活費分の負担が増えますし、現在では、特別養護老人ホーム、老人保健施設、介護療養型医療施設の介護保険3施設を利用する場合、単身世帯で1,000万円、夫婦世帯で2,000万円の預貯金などがあると食費と部屋代の軽減制度が受けられない仕組みとなっています。

<サービスつき高齢者向け住宅・グループホーム(認知症対応型生活介護)の費用の平均相場>

種類 入居金 月額利用料の目安
 サービスつき高齢者向け住宅

敷金として家賃の2~3カ月の場合が大半

 5~25万円
 グループホーム  10~100万円  12~20万円

<特別養護老人ホーム・介護老人保健施設・介護療養型医療施設・ケアハウスの費用の平均相場>

種類 入居金 月額利用料の目安
 特別養護老人ホーム(特養)  0円  7~15万円
 介護老人保健施設(老健)  0円  8~17万円
 介護療養型医療施設(療養病床)  0円  8~17万円
 ケアハウス(経費老人ホーム)  0円~数百万円  8~20万円

施設の費用やサービスは、場所や施設ごとによっても差があるので、介護になった場合に、介護してくれる家族が近くにいないなど施設やサービスつき高齢者住宅に入ることを考えている人は、自宅近くの施設についてどの程度の費用がかかるかを調べて、月々のフロー収入の中である程度の費用をまかなえるような資金計画を立てておくと安心ですね。

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この記事の筆者
金子千春 ファイナンシャル・プランナー

千春コンサルティング事務所 代表
ファイナンシャル・プランナー(CFP)、1級ファイナンシャル技能士、宅地建物取引主任者、住宅ローンアドバイザー

新生銀行を経て2004年より独立。ライフプランや住宅ローンセミナー、個別相談、宅建講師、企業の従業員向け投資教育、小中学校や児童館での金銭教育など、「知らないで損をする」ことのないようにという観点から、講師や執筆を中心に活動中。

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